初めまして、2019年に新卒入社して、現在は会計 freee のワークフロー周りの開発をしているすぎけん(@sugiken_bike)です。
2020年10月下旬。開発合宿を開催しました。
開発合宿は freee 開発陣にとって年に一度の一大イベントです。普段の業務から離れて、各々が自身の開発力で様々な課題に短期集中で取り組む freee 開発陣の自己表現の場と言っても過言ではありません。
2019年の開催の様子はこちらの記事 をご覧ください!
ご存知の通り、今年はコロナウイルスの脅威があるなかで人が集まる開発合宿を開催するというかなりチャレンジングな試みでした。 このコロナ禍で伝統を途絶えさせずに如何に開催をしたのか、その合宿の様子と運営の感想をご紹介します。
コロナ禍での freee 開発陣の働き方
freee ではコロナウイルスの広がりを受け、3月から全社的にリモートワークを開始しました。その後コロナ情勢も変化して、8月頃には部分的に出社が解禁されて、希望者はオフィスで働くのが許可されました。出社に事前申請などは必要なく、気分やたまに必要に駆られて出社している人が多いです。チームにもよりますが、リモートで働いている人が9割くらいですので、出社してもチームメンバーと必ずしも顔を合わせるとは限りません。
このように freee ではまだまだリモート中心で働いており、多くの人が一堂に会して働く Before コロナの働き方には戻っていません。
開発合宿開催を検討
まず開発合宿をやるのかやらないのかを話し合いました。企画開始は6月下旬で、この頃東京都では一日の新規感染者数が50人前後の時期でした。ここ最近よりかは低水準ですが、当時はこれでも十分脅威を感じていたのを覚えています。また他社の事例を参考にしても、やはり従来の合宿形式での開催はせずに、リモートで開催したという情報を耳にしました。
反面、いくつかのポジティブな外部要因もありました。
- 政府が GoTo キャンペーンの企画を進めていた
- 社内でも一部出社解禁の話が進み始めていた
コロナに対する根拠のない不安が徐々に払拭され、適切な予防方法(3密対策など)が分かってきていたため、感染の広がりを注視しながら、今年も開催する方針で決定しました。
みんな開発合宿に参加したいのか
開催する方針になった矢先の7月中旬頃、東京での新規感染者数が 200 人/日を超える日々が続きました。こういった状況は長くは続きませんでしたが、開催可能かが不安になると同時に、そもそも開催するとしても社員は参加してくれるのだろうかという疑問が浮かんできました。
そこで例年になく事前アンケートを取り、参加の意向を確認することとしました。その結果宿泊希望者は 40 人弱という結果に(例年は100人ほど)。これくらいの人数であれば十分に3密対策などを行った上で開催できると判断することができました。
リモートはニューノーマル
続いて考えたのが開催形式です。例年は宿泊組と、一部本社オフィスで働く組がいるという形式でした。あくまで宿泊組がメインのため、本社組へのケアはほとんど何もしていませんでした。
しかし、with コロナでは違います。リモートがニューノーマルとなった以上、開発合宿を宿泊組のためだけに開催するのは時代遅れです。
そこで開発合宿委員会ではリモート組にも開発合宿を味わってもらおうと開発合宿気分コースを設けることとしました。
リモート組のために考えたこと
リモートで参加するメンバーにも開発合宿を楽しんでもらおうと、委員会メンバーで考えたアイディアがこちらです!
- 高い肉送ろう
- 温泉の素送ろう
- リフレッシュ手当支給
- タンクローリーで温泉の湯を送ろう
- オンラインハッカソンみたいにしよう
普段家では食べられないようなお肉や、リラックスできる温泉にでも浸かってくださいという開発合宿委員会からの気持ちでした。
開発合宿の意義とは
しかし、リモート組のためのアイディアを発散させていくうちに「開発合宿の意義ってなんだっけ」という根源的な疑問に至りました。
確かに、例年の開発合宿で宿泊地を決める際には、
- 温泉がある
- 非日常感
- リフレッシュできる
- 美味しい食事
など、楽しいイベント要素も選定基準に含めていました。
しかし、冒頭に書いたように開発合宿はあくまで、 各々が自身の開発力で様々な課題に短期集中で取り組む freee 開発陣の自己表現の場 です。
楽しめるコンテンツの提供もしたいですが、開発合宿委員会が提供するコンテンツが集中を阻害してはいけません。止む無くリモート組が自由に使えてリフレッシュできる「食事代の補助」という形に落ち着きました。
宿泊組とリモート組の垣根をなくす
すでに社内でも使われている、 Remo というバーチャルオフィスを活用しました。開発合宿初日と 2 日目の朝に全体朝会を開いたり、リモート組と宿泊組で共同でプロジェクトに取り組むチームが Remo を活用していました。また、リモート組が一緒にリモートランチをする場所としても提供しました。
しかし、Remo は想定したより使われませんでした。普段の在宅勤務でも感じているかもしれませんが、お互いの状況が分からない状態で他人をビデオ会議に誘うのは若干緊張するし、遠慮もしてしまいます。ましてや開発合宿はそれぞれが集中して作業しているため、突然話しかけて良いものか躊躇ってしまいます。そして、それを気にして Slack で連絡を済ませてしまいます。 Slack でチャットしただけでは垣根がなくなったとは感じられません。
もう少し垣根をなくすために、休憩時間を委員会で設定して積極的に雑談をしてもらうなど、作業にプラスとなるような施策を準備すればよかったかもしれません。
宿泊組の3密対策
安全第一。行った対策を箇条書きで紹介します。
- マスクの着用必須
- 開催地の分散(東京で2ヶ所 関西で1ヶ所)
- 1人1部屋(例年は大部屋)
- 人数に対して会議室を倍以上のキャパシティを確保
会議室のキャパシティ条件は社内の規定に従いました。とにかく大人数が狭い空間に集まらないようにしました。
これらの条件を満たし、予算内に収まるホテルを様々検討した結果以下の3箇所で開催しました。
人同士の距離を取り、1長机に1人で作業しました。
当然個室での開発も可能です。
東品川ではレストランではなく、会議室で食事をとり、3密を回避しました。
コロナ禍での開発合宿を終えて
コロナ禍で合宿イベントを開催するのは未知な部分が多く、どういった対策を取れば安全に開催できるのか、メンバーが楽しめる開発合宿にできるのか、本当に悩むことが多かったです。 結果的に3密対策を実施してトラブルもなく無事開催できてホッとしています。
対してニューノーマルであるリモート組は開発合宿感があまり感じられないという課題が残りました。 集中を妨げずに、開発合宿感を楽しめて、アウトプットもしてもらう。正直この矛盾の解決策はまだ分かりません。来年の開発合宿委員会に期待です!
課題は残りましたが、コロナ禍の開発合宿でも例年以上のアウトプットが集まりました。開発陣の頑張りはこれからどんどんユーザーに届いていきます!お楽しみに!