トロントで行われた Strive. The 2019 UX Research Conference に参加してきました

UXチームの @toofu__ です。以前オンライン英会話の先生から「いまこんな感じのシューティングゲーム作ってるんだ、何かアドバイスくれよ」と言われ、良い感じの英語が出てこなくて「more zombies.」とだけ返事したことがあります。

普段は会計freeeのUI設計やデザインシステム構築をメインで行いつつ、ユーザーインタビューやデータ分析などのリサーチ業務も行ったりしています。リサーチに関する知見を集めるべく、6月6日〜7日の2日間、カナダのトロントで行われた Strive. The 2019 UX Research Conference に参加してきました。

uxresearchto.com

トロントの風景
トロント、英語とフランス語しかない品川みたいな感じでした。

UX Research Conference って?

トロントを拠点に活動しているUXリサーチャーのコミュニティ「UX Research Collective」が主催するオフラインカンファレンスで、年一回行われています。学生やUXリサーチ初心者向けのものから、UXリサーチチームのマネージャー向けのものまで、ワークショップを含めて32のセッションが行われ、約1,000人が参加したとのことです。

ちなみに日本人は自分以外に見かけませんでした(「日本からの参加者がいる」というので会場から拍手を受けたくらいです)。

会場内の写真。ステージ両脇には書き起こしされた発表内容が表示されている。
アクセシビリティにも配慮されており、リアルタイムの書き起こしテキストも表示されています。英語ヒアリング苦手マンが助かる

どんな感じだったか

セッションはいくつかのコースに分かれており、自分は1日目の "Leadership in Research" コースと2日目の"Main Stage" コースに参加しました。

1日目のLeadership in Researchコースは比較的小規模なセッションで、参加者も150人くらいでした。「UXリサーチのインパクトを組織の中でどのように高めていくのか」に焦点が置かれ、LyftやGroupon、Googleといったテック企業のリサーチ部門リーダーやシニアリサーチャー的な人たちが各自のテーマで45分ほどの講演をしてくれました。

講演の様子。窓をバックにスクリーンが用意されている
IDEOのDesign Research LeadであるOvetta Sampsonによる「データサイエンスとUXリサーチの融合に向けて」

休憩時間の参加者の様子
休憩時間に軽食をとりながら参加者同士でコミュニケーションを取る感じでした。

2日目のMain Stageコースはイベント参加者すべてが参加する大規模なカンファレンスで、AtlassianやSalesforce、Slackなどのテック企業のリサーチャーや、カナダ政府のデジタル専門組織であるCanadian Digital Serviceのリサーチャーといった様々な登壇者による9つの講演がありました(ボリューム多くて正直疲れた)。

講演の様子
SlackのDirector of Research & Analytics、Christina JanzerとStaff Researcher、Michael Massimiによる「Slackでのリサーチ体制構築」。ケーススタディとして、Slackの日本ローカライズプロジェクトにおけるリサーチが紹介されていました。

客席の中にグラフィックレコーディングのブースが用意されていて、大きな白いボードにグラフィックレコーディングが行なわれている
会場でグラフィックレコーディングも行われていました。

セッション自体のまとめはUXR Collectiveのブログでも公開されているので、ここでは私なりのまとめを簡単に書いてみます。

数十人規模のUXリサーチチームを有する企業がゴロゴロしている

カンファレンス以外に休憩時間に参加者同士で会話した内容も含まれるのですが、まずリサーチチームが組織としてだいぶ完成されている事例をよく耳にしました。

Airbnbは100人規模のリサーチチームを有し、そのうち50人がUXリサーチャー。Googleでは単体のプロダクト(Google Maps)のリサーチに従事するUXリサーチャーが60人以上いるなど、組織全体の規模の違いはあるものの、UXリサーチという役割が組織の中に浸透している様子を感じました。

また、そういった組織はUXリサーチ業務の効果を最大化するためのResearchOpsも発展してきており、すでにResearchOpsチームを立ち上げて数年経つ企業がいくつも存在しています。Atlassianでは30人規模のリサーチチームに対して、リクルーティングやリサーチ結果のアーカイブ、リサーチ技術の収集検証を専門的に行うResearchOpsチームを6人有しているそうです。

UXリサーチャーはプロダクトの未来を理解するエキスパートである

「UXリサーチャーは未来のニーズやインサイトを自分たちで見つけ出していくプロフェッショナルである」という話がSlackのDirector of Research & AnalyticsであるChristina Janzerからされました。

当然、リサーチ自体が専門スキルです。Grouponではコンバージョンと同列に扱われる信用(trust)を計測するため、心理学の博士を持つリサーチャーが1年かけて心理測定尺度を用いた計測体制を構築したという話が紹介されていました。参加者同士の会話では「心理学やHCI(Human Computer Interaction)の学位を持った優秀なリサーチャーを採用するのが難しく、リサーチチームの体制を整えられていない」というような話もされていました。

スキルだけでなく働き方においても、「リサーチ業務が社内下請けになってはいけない」という話がありました。プロフェッショナルである自負をリサーチャーが持ち、組織から裁量を与えられ、未来のニーズやインサイトを見つけ出すことが重要ということです。

古風な建物の写真。煉瓦作りで中央には大きな塔がある
会場の眼の前に古風な屋敷?があった

freeeもUXリサーチチームをつくりました

UXリサーチ組織の先進事例を見てきた感じになるのですが、freeeも7月からUXリサーチチームを立ち上げました。ざっくり言うと、プロダクト成長に向けたユーザー理解をミッションとした専門チームです。これまでUXデザイナーがデザイン業務と並行して行ってきましたが、専門チームをつくることで、よりユーザーにとって本質的に価値のあるプロダクトづくりを目指します。

というわけで、freeeではUXリサーチャー、およびリサーチに強みのあるUXデザイナーを募集しています。ご応募お待ちしています。

jobs.freee.co.jp

アクセシビリティの祭典 2019 に参加してきました

こんにちは。freee 関西支社でアプリケーションエンジニアをしている @kumatch です。 2019年5月16日に神戸で開催されたアクセシビリティの祭典 2019 に参加してきました。 アクセシビリティの祭典は、アクセシビリティについて考える日である「Global Accessibility Awareness Day (GAAD)」の5月第3木曜日にあわせて毎年神戸で開催されているイベントです。

freee はアクセシビリティ向上を日々取り組みしており、本イベントへは昨年に引き続き今年もスポンサーとして協賛させていただきました。 ちなみに freee 東京本社の方でも GAAD にあわせてイベントをやりたい!ということで同日にアクセシビリティ LT を開催しておりました。こちらも多岐にわたる発表があり大盛況だったとのことです。

connpass.com

togetter.com

とにかくイベントがアクセシブル

さて本イベント、アクセシビリティの祭典という名前だけあって、イベント最中はとてもアクセシブルな対応でいっぱいでした。

会場ではセッションの発表すべてに手話通訳が用意されているのはじめ、UD トーク による多言語リアルタイムな字幕の提供が行われており、会場前面のステージ横スクリーンに表示がされていました。加えて各自スマートフォン内に UD トークを導入しておけば、手元で同じテキスト字幕の参照をすることも可能。音声の誤認識によるミステキストがどうしても表示されてしまうこともあったのですが、それもスタッフの方々が即時に補正をしてくださっていました。

発表内容にあわせて手話通訳が行われている様子 発言にあわせてUDトークを使ってリアルタイム字幕が前面スクリーンに表示されている様子

リアルタイム字幕は、聴覚障碍のある方のみならず健常者であっても聞き逃しや聞き慣れない言葉による不明瞭な理解をサポートしてくれますので、とても素晴らしい設備だと思いました。

セッション

当日のセッションでは11個の発表があり内容も様々で盛りだくさんでした。弊社からは yoshi こと竹田が登壇し、 freee のアクセシビリティへの取組みを発表しました。

freeeのアクセシビリティの取り組みを発表する yoshi

本発表では、freee がなぜアクセシビリティに取り組んでいるのかの理由、そしてプロダクト開発の中でアクセシビリティ対応を実際にどのようにして進めているかをお話しさせていただきました。freee では所属チームを横断したアクセシビリティ対応のためのワーキンググループが結成されており、日々の活動報告や情報共有を行なっています。グループの活動の1つにアクセシビリティQAというものがあり、リリース前の機能に対してしっかりとアクセシビリティチェックを行い適切に対応している流れを事例と共に紹介しました。

speakerdeck.com


その他、様々なお話がありました。その中でいくつか抜粋してご紹介させていただきます。

インクルーシブ対応としての字幕のトレンド

先程も紹介しました本イベントの発表をリアルタイム字幕表示させている「UDトーク」の機能として、音声認識によるリアルタイム字幕出力をはじめ、翻訳、議事録、さらにはカメラを通して字幕部を表示してくれるシアターモード、ウェアラブル端末を使った利用方法などを順に紹介。字幕にはふりがなも振られるため海外の方にも好評とのことで、ご自身が地域活動として行なっておられる Code for Nerima でも有効的に活用されているとのこと。ここで本イベントのタイトルにもある「インクルーシブな世界」とはどういうものかという説明として、exclusion (多数派だけが使える), separation (多数派・少数派がそれぞれ専用で使える), integration (多数派が使えて、あわせて少数派も専用で使える), inclusion (全員が同じように使える) の4つを示した上で、先程の Code for Nerima にも多種多様な人たちが1つの事柄(= 練馬区)を元に集まっているこの状態こそが inclusion な世界であると紹介されました。 アクセシビリティとは「体験と想像力」であり、初めて知って考える事が増えたこと、そしてそれが活動のエネルギーになるという点を挙げられており、これはまさしくそのとおりであると深く感じました。

また、コミュニケーションバリアフリープロジェクトという、障碍により情報が正しく受け取れないことで疎外感を感じてしまいコミュニケーションバリアが出来てしまうことの改善を目的とした活動を紹介。登壇者同士の質問の1つで、「音声認識によって生活はどうかわったか?」という問いに対して、以前まではその場の自分は置いてけぼりを受けている感覚であったのが、自身のリアル感を高めてくれているようで本当に感謝しているとお答えされていたのが印象的でした。

ウェブアクセシビリティ最新動向 2018-2019

「品質への社会的要求」「アクセシビリティ/UX デザイン」「WCAG 2.1」の3つの視点でのお話をされていました。 Web ユーザの多様化とインフラ化を背景に海外では法規制による品質要求が高まっていることを挙げられ、日本でも品質基準の担保を求める、より適切な法規制があるべきでは?という問いかけと共に、これを仕方なく対応するのではなくユーザを守るための基準として有効的に利用しようという旨の提案がありました。

アクセシビリティとUXデザインの実践的な取り組みが多くみられるようになってきたという事例として、デザインシステムを通じたアクセシビリティ向上という観点より freee が取り組んでいるデザインシステム vibes を紹介していただくという場面もありました。

インクルーシブなサービス改善

Yahoo!天気・災害のアクセシビリティ改善として、社内におられるロービジョンの方々に協力をいただいたユーザーテストを実施したという事例の紹介をされていました。

ユーザーテスト参加者の方々から変更前後の様々な感想・フィールドバックをもらったものの、人によって全然違った(わかりやすい・わかりにくいなどの真逆の感想)という結果だったとのこと。それに対し、天気・災害サービスとして伝えるべき情報にプライオリティをつけ、その中で重要な要素の情報がロービジョンの方に向けて必ず伝わるよう改善を進めていったそうです。

最後に障碍を持つ方々が本改善に参加した感想のまとめをお話しされていたのですが、自社で提供しているサービスの UI/UX 改善に貢献できたということに対し喜びがとても大きかったという旨をあげられていた点がとても印象に残っています。

アクセシビリティの未来を考える

アクセシビリティにより未来はどうなるか、それを踏まえて今私たちが取り組むべきことは何かというテーマの元パネルディスカッション形式で進められました。

アクセシビリティによる明るい未来の1つの側面として、これから未来に向けて生産年齢人口は減少するという見込みがあるものの、その問題に対してロボティクスや AI といった技術が有効であり、これまで人が行っていた作業をロボットやAIに置き換えることによる代替、あるいは障碍者、高齢者を補助するパワードスーツ、遠隔操縦(アバター)、情報変換の仕組みを駆使することで多くの方が無理なく働くことができるようになり、結果生産力をカバーすることができるだろうという点をあげられていました。

しかしその一方で、海外ではアクセシビリティの観点で拘束力の強い法規制で権利がしっかりと守られている(前述のウェブアクセシビリティ最新動向でも触れられていた点ですね)のに対し日本では障害者差別解消法が施行されてから3年経ってもまだまだ進んでいないという点に触れ、アクセシビリティを推進していくにはもっとしっかりした法制度を施行しなければならないという課題も。

最後に今の私たちがすべきこととして、まずはアクセシビリティを一人ひとりが認識し多様性の理解をすること、その上でデジタルなもの (= Web で扱えるもの) は加工がしやすく人にあわせやすいものであるのでしっかりと対応を進めていくこと、また Web 以外のもの (新しく出てきたデバイスなど) については今は Web アクセシビリティの延長でやってきているものの、それぞれにあわせて、より良い対応を考えていけるのではないかという点があげられました。

展示について

会場ではセッションと共に、障碍を持つ方へのサポートを目的とするハードウェア、ソフトウェアが多く展示されており、実際に触れられるようになっていました。タイムスケジュールの中に「展示ブースを見学する時間」が設けられているなど、一人でも多くの方に関心を持ってもらえるよう取り込みされているのが良かったと思います。実際にその時間の展示ブースは大盛況でした。

1階の展示ブースに人が集まる様子 2階の展示ブースに人が集まる様子 展示ブースに置かれていた点字ディスプレイ

最後に

私自身、アクセシビリティ関連のイベントへの参加は初めてだったのですが、とても良い影響を受けることができたイベントでした。とにかく「優しい世界がそこにある」というのが率直な感想です。

これまでコツコツと活動を続けてこられた方の、成果といえる喜びであったり、これからもしっかり推進していくぞという意気込みであったり、あるいはまだまだ良くならなくてもどかしさの思いといった気持ちをひしひしと感じることができましたし、それを受けた私自身もどんな小さなことでもできることから1つずつ積み重ねていこうと思う気持ちがまた強く思えるようになった一日でした。未来の自分と仲間と、これから生まれてくる子供たちのためにも、アクセシビリティやっていくぞ。

デザインシステムの勉強会『designsystems.tokyo』を開催しました

会計 freee のUI設計や、プロダクト横断のデザインガイドライン整備を担当している @toofu__ です。ゴールデンウィークは10日間で7回UberEatsを注文し、先日は土日2日間で4回注文しました。

少し間が空いてしまいましたが、ゴールデンウィーク前、4月24日にデザインシステムに関する勉強会『designsystem.tokyo』を、弁護士ドットコム株式会社様と合同で開催しました。 designsystems.connpass.com

designsystem.tokyoって?

昨今、Webサービスやアプリの開発において「デザインシステム」が注目を集めています。「多くの人数で長期間にわたって設計・開発を行う際に、一貫性を保てるようにデザインパターンやルールなどを定めたもの」とされており、公開されているものだと GoogleのMaterial DesignSalesforceのLightning Design System などが有名です。弊社でもその構築を進めていますが、いざやってみるとなかなかに大変です。

去年末にデザインシステムの構築と運用手法をまとめた書籍である『Design System - A practical guide to creating design languages for digital products』の日本語版が刊行されました。それをきっかけに、監訳者の佐藤伸哉さんが旗振り役となり、「日本でデザインシステムの実践を進めている企業が集まり、その知見を交換するコミュニティをつくろう」という目的で生まれたのがdesignsystem.tokyoです。

note.mu

コミュニティに所属する企業が持ち回りで主催する形で勉強会が行われており、その第2回として弁護士ドットコム様と弊社主催の会を行わせていただきました。 会場入り口に設置された看板

各社のデザインシステム実物を肴に酒を飲む会

弁護士ドットコム様との事前の打ち合わせにおいて決まったことは「各自がつくっているデザインシステムの実物を見ながら議論を行おう」ということでした。デザインシステムはその性質上、企業のプロダクト開発の内情にかかわることが多く、なかなか一般に公開しづらいものであります。しかし現場のリアルな議論をするためにはつくっているデザインシステム実物を囲むことが重要と考えたため、参加者をコミュニティ所属企業に限定して成果物を開示することにしました。

弊社はデザインシステムとしてUI/UXガイドライン「Groove」UIコンポーネントライブラリ「Vibes」を整備しています。経緯や概要については先日行った弊社主催のイベント『freee Tech Night』で簡単に触れましたが、designsystems.tokyoではその中身であるGrooveの社内Googleサイトや、VibesのSketchファイルおよびStorybookをプロジェクタに映しながら構成について説明させていただきました。

現物をみながら、参加者の方たちと下記のような観点で議論を行うことが出来ました。

  • ガイドラインで定義されるべき内容
  • アトミックデザインを用いたUIコンポーネントの現実的な運用
  • デザインシステムを作成するコストはどのようなロジックで捻出するのか
  • 人間を信じるか信じないか

後ろのほうから会場を写した写真。テーブルの上にはビールとピザがある。
ピザとビールを片手にデザインシステムについて語る

speakerdeck.com
先日の『freee Tech Night』で弊社エンジニアが発表したデザインシステム構築の経緯と概要

お酒が入っていることもあり、トピックによっては「ウチはこうやってる」「いや弊社は」といった感じで議論が白熱する感じでした。(会自体がクローズなものであったので具体的な中身は書けないのはすみません。気になる方はコミュニティへご参加を!)

弁護士ドットコム様はFigmaを利用した既存UIのインターフェースインベントリを開示してくださり、複数並行しているブランドとデザインシステムの関わり方についての説明をしてくださりました。巨大なインベントリがプロジェクタに映し出されたときのどよめきが印象的でした。

デザインシステムの知見交換したい人はdesignsystems.tokyoへ

弊社でデザインシステム構築に本格的に取り掛かり始めて1年余が経ちますが、まだ完全に運用に乗り切っているとは言えない状況です。参加企業にもそういうところが多く、みんなの知見を合わせてお互いのプロダクトをよりよくしていくのが大事かなと思います。勉強会参加に興味のある事業会社の方がいましたら、designsystems.tokyo公式Twitterアカウントまでご連絡いただくか、connpassのグループでイベント予定をご確認ください。

GYOMU Hackers Guildを2年間運営してわかった、コミュニティ運営のコツ

こんにちは。freee株式会社で初代GYOMUハッカーとして、GYOMUハック(a.k.a 業務ハック)チームに所属しているmiryです。

GYOMUハックチームではマーケティングやセールスチームなど社内のビジネスチームが日々業務で使うシステムの構築、データ設計、業務設計・業務効率化、課題解決などを行なっています。

GYOMUハックの仕事については記事を書いたりしていますので、ご興味のある方はお時間のある時にぜひご覧ください。

codezine.jp

先日、私の運営しているコミュニティであるGYOMU Hackers Guildが2周年を迎えました。

最近コミュニティ運営についていろんな方に相談されるようになったので、せっかくなのでみなさんにもご紹介できればと思います。

覚えておいてほしい3つのこと

私がコミュニティ運営を2年続けてきてたどり着いた、大事だと思うことは次の3つです。

  1. どんなコミュニティにしたいのかを参加者に伝える
  2. 定期的にイベントを開催する
  3. できることだけやる

簡単なことですが、なかなか実践できないものでもあります。 私がやってきたコミュニティ運営の振り返りと共に、書いていきます。

GYOMU Hackers Guildの歴史

始まりは悩んだから

コミュニティを作ろうと思ったきっかけは、GYOMUハックというポジションが当時社内に1人しかおらず、相談相手や壁打ち相手がいなかったことでした。 もちろん相談すれば他のエンジニアも応えてくれる環境はありましたが、やっていることの毛色が違いすぎて、このままではいけないなという漠然とした不安を抱えていたのです。

そんな時、外部のいろんな勉強会に参加して、同じようなことをやっている人はいないのかといろいろ探していました。 ですがやはり技術系のイベントが多く、業務改善系の勉強会をやっているところは見つけられなかったのです。

途方に暮れていたある日、Salesforceの方が参加する某社でのイベントで初めて同じような仕事をしている人と出会いました。その方のお話が、完全に当時の私の悩みとフィットしていて、衝撃を受けたのを覚えています。そして、同じ悩みを抱えているのが自分だけではないと確信したのです。

その後、その方とのお話がきっかけでコミュニティを立ち上げる運びとなりました。

最初に決めたこと

コミュニティを始めるうえで最初に決めたのは、どんなコミュニティにするのか、でした。 どんな人にきてもらいたくて、どんなことが得られるイベントを開催するのかを決めました。

いろいろ悩んで「ITをつかって業務改善プロジェクトをしている/ビジネスチームとやりとりをすることが多い」とか「BPRを推進している」とか書いています。

当時まだサブスクリプションビジネスのサービスが日本でも導入され始めたばかりで、GYOMUハックのような仕事をしているのが情シスや社内SE、BPRといろんな呼ばれ方をしていたこともあり(これは今もですが)、書き方には苦労しましたし、いまもこれがベストかはわからないのですが、だいたいターゲット層の方が来てくださっているので、わりと満足しています。

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イベントの様子

そして、コミュニティの目的は次の通りにしました。

  • 業務改善系の社内エンジニアと交流すること
  • 意見交換会をすることによってKnowledgeを得ること
  • 新たな刺激を得ること
  • 会社を超えて気軽に相談する関係が築けること

ナレッジがどうしても社内に閉じがちなので、その枠を取っ払っていきたいなという強い思いがあったのです。

実際にコミュニティをやってみての苦労

絶対に継続しよう、隔月開催しよう、と最初に決めました。 そしてはじめは他の勉強会のように、いろんな会場で開催してみよう、軽食や飲み物を準備しよう……と考えていて、実際やってみました。しかし思いの外調整の負担が大きく、すぐにくじけそうになりました。このままじゃとても面倒すぎて続けられないという危機感から、できることだけやろうと割り切りました。

その結果、現在はこんな工夫をしています。

  1. 会場は毎回勝手知ったるfreeeのオフィス内イベントスペースを使う
  2. 飲食物は準備しない。参加者に自分で買ってきてもらう
  3. 募集にお手伝い枠を作って、受付やマイク運びを参加者に手伝ってもらう

本当にただこれだけですが、会場の調整や飲食物の準備がなくなっただけでも本当に楽になりました。あとは当日のスライドの準備(テーマを書き換えるだけ)をするだけ、くらいまで準備に手間がかからなくなりました。 そしてありがたいことに毎回30人以上、多い時には50人は集まるコミュニティに育ちました。

モチベーションの維持が一番たいへん

こうしてほぼワンオペコミュニティとして13回続けて開催し、無事に2周年を迎えたGYOMU Hackers Guildなのですが、一番たいへんなのがモチベーションの維持です。 1人で盛り上がってるんじゃないのとか、反応ないとか、当日のドタキャンとか……全部完全に私のダメージになります。

そこで毎回イベント開催の際には、自分から参加者に思いを伝えるようにしていて、コミュニティは一緒に作り上げるものなんだよ!って声を大にして言っています。 そう伝えることで、そのコミュニティに賛同してくれる人が残りますし、主催者からしても参加者からしてもWin Winの関係を築けると思っています。

Facebook Groupの投稿

モチベーチョンがだだ下がりすると、唐突にエモいことを言い出したりもします。 というわけで、今目下の課題は私のモチベーション管理です。笑

コミュニティ運営で利用しているツール

世の中には便利ツールがたくさんあるのですが、私がGYOMU Hackers Guildで使っているツールを紹介します。

connpass

いろんなイベント管理システムがあったのですが、結局connpassに落ち着きました。便利なところは、

  • いろんなアカウントがTwitterで拡散してくれる
  • 参加者へのメッセージが送れる
  • 管理者を複数設定できる

などの点です。以前使っていたツールではかなり集客に苦労しましたが、今ではほとんど集客に苦労しなくなりました。

gojo

グッズを作りたい!という気持ちが高まって、使い始めたのがgojoというサービスです。共通財布を作ることができます。 お金を利用する際は承認制なので、お金の流れが見える化できます。

おかげさまでみなさまの寄付のおかげでステッカー作成できました👏

GYOMU Hackers Guildへの思い

最後はコミュニティ運営の話というより自分のコミュニティへの思いみたいな話をしますと、GYOMUハックという仕事は本当に最近出てきた新しいエンジニアの形だと思っています。 今までは自社開発という選択肢が主流で社内SEがごりごり頑張って作ってきた社内システムですが、クラウドやサブスクリプションビジネスの台頭により様々なSaaS、PaaSがでてきて、それを取り入れる企業が増えてきています。

そうなった時にツールを取り入れれば業務改善できるという魔法みたいなことは絶対にないので、データ設計やシステム間連携など緻密なエンジニアリングが必要になるのです。それをやっているのが、GYOMUハッカーたちなのです。 これからどんどんサービス導入は増えていくと思うので、GYOMUハック界隈をみんなで盛り上げていきたいです!

コミュニティでは素敵な仲間と出会えます

みなさんも、なにかの思いが溢れたらぜひ、コミュニティ運営してみませんか。きっと素敵な仲間に出会えますよ! 長々と書きましたが本当にこのコミュニティをやってきて良かったと感じていますし、私自身も素敵な仲間に恵まれました。

コミュニティやってみたい、コミュニティ運営難しそう、続けるのが辛い、と思っているこの世界の誰かに届いたなら嬉しいなと思います。 大事なのは本当に次の3つだけです。

  1. どんなコミュニティにしたいのかを参加者に伝える
  2. 定期的にイベントを開催する
  3. できることだけやる

いつかコミュニティ運営しているみなさんで集まって、あるある話で盛り上がりたいななどと画策しています。

もし興味ある方はお声掛けください。

最後までご覧いただきありがとうございました!