こんにちは、freeeサインエンジニアの miyachi です。 日々freeeサインを開発する傍らで、アジャイルコーチをしてくださっているレッドジャーニー中村洋さんと一緒に社内のチームを現場目線で支援する活動をしています。
先日、洋さんのご紹介で初めてPRONI株式会社さんと合同勉強会を行いました! 合同勉強会ではLT大会に加えOST(Open Space Technology)を行ったので、準備から実施までの流れを記録として残しておきたいと思います。
OSTに関する説明は、PRONIさんからご参加いただいた下川さんのブログで詳しく書いていただいているので、こちらでは割愛します。 OSTの良さ、楽しさが伝わってくる素敵な記事なので、是非読んでみて下さい!
この記事の学び
- OSTは開催のハードルが低く、テーマがたくさん出れば参加者も得たい学びを得られる
- 事前にOSTをすること、OSTの概要をアナウンスしておけると、テーマを事前に考える余裕が出来てOSTが効果的になりやすい
- 他社間でのOSTをする場合は、LTなどで先にお互いの文脈を知れる機会があるとその後の会話がスムーズになる
開催が決まるまで
今回一緒に企画させていただいたPRONI株式会社の小峯さんとは、洋さんのご紹介で何度かお会いしたことがありました。 話す中でPRONIさんとは会社も近く、お互いの現場でアジャイルを広めようとしている同志ということが分かり、一緒に勉強会をすることによってお互いの現場にさらに学びが広がればいいと思い、合同勉強会のお誘いに乗らせていただきました。 またfreeeの社内ではまだOSTを開催したことはないものの、RSGT(Regional Scrum Gathering Tokyo)を通じて、OSTの価値は十分に体感していたので、自分自身もOSTを企画しつつ社内でOST経験者を増やして、社内での開催につなげていきたいと考えて今回の勉強会の開催が決まりました。
事前の準備
LTパートでは全体30分で双方2人ずつがLTをすることにしていたので、社内でLTしてくれそうな人に声をかけて準備をお願いしていました。 LTで話すテーマについて、特に制約はかけていなかったですが"ドヤれる"ような話をお願いしていました。
OSTでは複数のテーブルに分かれて並行して付箋を書いていく必要があったので、十分な量の付箋とペンを用意しました。紙とペンと付箋という探せばいつでも揃えられるものだけで始められるので、開催のコスト自体がすごく低いこと自体もOSTの良さだと感じました!
今回の参加者は全体合わせて20名ほどだったので、会場はfreeeオフィス内のasobibaと呼ばれるスペースを使用しました。
当日の様子
LT大会
今回の勉強会はお互いの現場を知らないところからのスタートだったので、LT大会を始めに行うことでお互いの現場のざっくりしたコンテキストや取り組んでいることを知り合うことが出来ました。 このお陰で、OST中に現場の話をするときも「さっき話していた〇〇プロジェクトで」など、一定の共通言語を得ることが出来たのでスムーズにコミュニケーションすることが出来ていたように感じました。
OST
OSTを始める前に、洋さんに下記のスライドを使ってOSTの原則や役割について説明していただきました。 今回の参加者の大半がOSTへの参加が初めてでしたが、冒頭にOSTで推奨される振る舞い方の例や全体の流れを説明していただけたおかげでグッと参加しやすくなったように感じました。
始めのテーマを出していくパートでは、参加者のほとんどが自分の現場で気になっていることや話してみたいことを積極的にテーマに出していました。 その結果、もともと用意していた4トラック × 3パートの12枠で足りなくなってしまったので急遽トラック数を増やすという嬉しいハプニングもありました。 テーマを出していく中で、それぞれの現場から出てきたテーマが似通っていたため1つの枠で一緒に取り扱うことになり、抱える悩みは似ているんだと共感が高まる場面もありました。
自分はLTの中で「スクラムマスター相談会」という社内コミュニティが2年間続いていることを"ドヤ"していたので、「コミュニティが長く続くためには」というテーマを出しました。その中では言い出しっぺになる1人目も大事だけど、乗っかってくれる2人目、3人目の存在も同じくらい大事だよね、という話や、洋さんが15年間運営しているDevLOVE関西の話を聞いたり等、いろんな立場や背景の人が混ざっている場だからこその話を聞くことが出来てとても興味深かったです。
参加者の声
freeeからの参加者の声を紹介します。
1人目のコメント:
他企業の方と議論することで、普段とは異なる観点からの話を多く聞くことができ、新たな学びや発見がありました。また、意見交換した内容を振り返るために大きな画用紙やデジタルツール(figjamやmiroなど)があるともっと良かったかもしれません。OST(Open Space Technology)での議論は無限に続けられるため、次回はより効果的な役割分担と進行ができるといいですね。モブプロ(モブプログラミング)は試す価値がありそうで、どのように狙いを定めるか考えたいと思います。個人的には「リソース効率とフロー効率はトレードオフではない」という視点からリソース配分の関係を調べてみたいと感じました。また、モチベーションとリソースの割り振りについても深く考える機会となり、チームの成長と個人の成長をどのように高めるか、引き続き探求していきたいと思います。
2人目のコメント:
OSTがとにかく楽しかったです。気になるテーマに対して誰かの発表を聞くのではなく、対話を通じてWhyを深掘りできたのが最高でした。特に最近自分の中でホットだった期待値についての対話がたくさんできてました。‘スクラムマスターって何するの?’というテーマでは、PRONIさんのシニアとジュニアエンジニアの対話の橋渡しをすることが出来たり、評価に関する話題では自分の体験をシェアするなど幅広い意見交換ができました。つながりが継続しているコミュニティで感想をシェアして、そこから対話が発生することが本当に楽しかったです。
3人目のコメント:
OSTの場を作っていただき、本当に感謝しています。カンファレンス形式のタイムテーブル体験にはワクワクしました。自分の考えを話し、共感した人が集まり、議論を深め、フィードバックをもらい、他社からの客観的な意見を聞くという一連の流れが非常に貴重でした。社内外とつながることで、人となりも知れて、純粋に楽しかったです。勉強会はLT形式が多いイメージですが、こういった学びの機会がもっと増えると良いですね。次回の開催にもぜひ参加したいです。
コメントからも分かるように参加された方みんな満足感が高かったです。自分が話したいテーマを直接提案したり、自分が興味あるテーマに参加して自由に他の場に移動することも奨励されているOSTだからこそ、参加者がみんな満足できる結果につながったのではないか と思っています。
開催してみての学び
今回初めて企画してみての学びは、意外と開催すること自体は時間もそんなにかからないし難しくもないけど、参加していただいた人みんなが学びを得て満足するような場にすることが出来る、ということでした。 今回の話が持ち上がった段階では「勉強会の開催って大変そうだし入念に準備する時間が必要になるかな」と思っていたんですが、OST自体は事前の準備のところで書いたように紙とペンを用意するだけだったので、開催のハードルは想像よりずっと低かったです。 そのハードルの低さに対して、参加する方は自分が話したいテーマを提案したり興味のあるテーマに自由に移動できることで、満足感が得やすい設計になっているのもOSTの良さだなと今回学べました。
今回学びが深い場になったのは、参加者の方が積極的にテーマを出していただいたお陰です。OSTはLT大会に比べて何を話すか等、参加者に委ねている割合が大きいのでテーマが全く出なかったり量や話題のバリエーションが少なかったりすると、それだけで得られる学びは少なくなってしまいます。今回は双方の現場で、OSTをすること、OSTとはどういうものなのかアナウンスしていたので、話したいテーマを事前に色々考えていただけていた分、多様なテーマが生まれ多様な学びにつながることが出来たのではないか、と思いました。
おわりに
今回はPRONIさんとの合同勉強会について、企画者の目線から振り返りました。 このブログをきっかけに、会社間でのOSTを使った勉強会を試していただけると、とてもうれしいです。