こんにちは。freeeの基盤開発でQAエンジニアをしているかーしーです。
freee QA Advent Calendar2025の21日目です。
「AIは、私の業務を効率化しているだろうか・・・?」
あらゆる業種 / あらゆる職種においてAI活用による業務効率化は喫緊の課題だと思いますが、ふと自身の日々の業務を顧みた時、上記の疑問にぶち当たりました。
今回は、そんな私の疑問に対し、私なりの見解を述べてゆきます。
AIは「効率化」よりも「スキルの向上」に効くんじゃなかろうか?
きっかけは「100日チャレンジ 毎日連続100本アプリを作ったら人生が変わった」を読んだことでした。
話題になったのでご存じの方も多いと思いますが、当時大学生でプログラミング初心者だった著者が、chatGPTに質問しながら100日間アプリを作り続ける過程が書かれています。 著者は、chatGPTとの対話を通しプログラミングに関する知見を深めてゆきました。
「これって、プログラミングに限定した話じゃないよな」
読んでいる時に明確に言語化してそう考えていたわけではないのですが、AIは「分からないことを理解する」ことと非常に相性が良さそうだなと何となく感じていました。
マイクロサービスの「見えない壁」
私は自社サービスのマイクロサービス間のデータの流れや責務の分担について、自身が「ふわっとなんとなくしか理解できていない」ということを課題に感じていました。
テスト内容をエンジニアと相談している際に「ここから先は別のマイクロサービスで担保しているので、この先の部分のテストは不要」というようなフィードバックを頻繁に受けていました。
もちろんエンジニアはシーケンス図を用意してくれていて、私もデータの流れを「ふわっと。なんとなく。」は把握していました。
ただそれが、実感を持って腑に落ちたレベルではなく、そのことが上記のような「どこまでを自分たちでテストして、どこからは他のマイクロサービスに任せる」という切り分けを明確にできていない状態につながっていたと感じています。
雑に聞いて、深掘りしてゆく
社内には様々なAIツールを利用できる環境が用意されているのですが、環境構築が不要、というだけの理由から、Geminiを選択しました。
正確には覚えていないのですが「添付したリポジトリと仕様書からデータの流れを教えて」といった程度の、本当に雑な聞き方だったと思います。
雑な質問に対し、Geminiは雑に返答してきました。
ただ、雑であっても「返答がもらえる」ということがとても有益に感じられました。 返答を元に、深掘りして聞いてゆくことができたためです。
質問を重ねてゆく過程を通し以下のような感じで
- マイクロサービスAとマイクロサービスBの間の通信
- A => Bに投げるリクエスト
- B => Aへのレスポンス
- Bの先はどこにつながっているか
- Bの先のCに対しては、どういうリクエストを投げているのか
- Cの先はどこにつながり、どんな処理をしているのか
「データの流れ」という漠然とした大きな問題が、より具体的な疑問点に分解されてゆき、自分が「何を分かっていないのか」「何を知りたいのか」ということを徐々に把握してゆけたためです。
このことは、私がAIを活用を進める上で非常に大きな体験となりました。
「スキル向上」のアプローチは比較的ハードルが低い
似たような体験は他のQA業務でも頻繁に遭遇しており、一例を挙げるとrunnというツールを用いたAPIテストの実装でした。
runnについての知見が皆無の状態から、AIとのペアプロを通してテストを実装していったのですが、実装の指示とは別で以下の指示を出すことで、得られた返答から、APIのテストやrunnの理解が飛躍的に進みました。
原則: 教育的な解説の義務 すべての提案には、**「なぜ」**そのように変更するのかという論理的根拠を必ず添えてください。 特に、複数の選択肢を比較検討した場合は、その**思考プロセスと結論(なぜそちらを選んだか)**を明示してください。
加えて大きな発見だったのが、「意図通りの実装をさせる指示」を出すことが非常に難しいと感じた一方で、「runnの使い方を把握するための指示」は、runnのリポジトリ等を参照させた上で「書き方を教えて」という非常に簡単な指示で、精度の高い返答を得ることができた点でした。
初心者の私にとって「簡単な指示で望んだ結果を得られる」という体験は、AI活用の入り口として非常に有益でした。
まずは簡単なところから始めてみる
AI活用による成果が数多く報告されている中、今回の私の話は、ごく初歩的で本当に取るに足りない事例だと思います。
それでも本件を取り上げたのは、大きな効率化のためには「全体の底上げ」が大きな課題の一つだと感じているためです。
私の周りでも、高度な業務効率化を実現している人が多くいる一方で、活用方法を暗中模索している人もまだまだ多いのが実情だと感じています。
そして、その大きな理由の一つに「AIに意図通りの動きをさせるための指示を出すことの難しさ」にあると推測しています。
もし「全然思うように動いてくれない・・・」と感じている場合は、まずは比較的ハードルが低い「自身のスキルアップのためのAI活用」から始めてみるのは有効なんじゃないかと感じています。
明日は、支出管理のQAエンジニアのren-san が「AI駆動QA基盤の紹介」について記事を書いてくれます。お楽しみに〜!
よい品質を〜
