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freeeプロダクト開発メンバーのこれからの働き方

アイキャッチ画像: freeeプロダクト開発メンバーのこれからの働き方 freee CTO 横路隆

こんにちは、CTOの横路です。

freeeではコロナの急拡大をうけ2020年2月25日から全社リモートワークを開始し、そこから丸2年が経過しました。現在も基本的にはリモートベースで働くというスタイルとなっており、その中で様々な課題にも直面し、freeeにとってどんな働き方がベストなのか試行錯誤しずっと悩み続けてきました。freeeでのリモートワーク下での課題やそれに対する取り組みについてはこちらの記事でも触れています。

フルリモートの課題に真正面からぶつかったfreeeの2020年 - freee Developers Hub

freeeのエンジニアとコロナ - freee Developers Hub

徐々にコロナも落ち着きつつある今、8月頃にはオフィスの移転があることも踏まえ、freeeプロダクト開発組織のこれからの働き方について方針をアップデートしたので、その内容をブログに書こうと思います。

なお、この方針は本格的には8月のオフィス移転後からの運用を予定しています。それまでの間は、実際にこの方針を試してみて検証を行い、必要に応じてアップデートする予定です。

まずは具体的な方針の内容について紹介し、その後方針決定までのプロセスを説明します。

対象

プロダクト開発系組織に所属する社員

基本ルール

原則週1回以上の出社とする
  • 月に4回ではなく週に1回(定期的なオフラインコミュニケーションを目的としているため)
  • ただし出社を厳格に管理するような運用はしない
  • 出社回数の上限を設定するものではないので、週1以上出社することはもちろんOK
出社日はチーム単位で決める
  • 出社の判断基準は下記の「 出社して行う事を推奨する活動」を参考にする
出社して行う事を推奨する活動

抽象的な議論や重要な議論

  • プロダクトの企画・設計・検討を行うMTG
  • プロダクト単位のオフサイト(短期的に特定の開発を進めるようなもの)
  • ブレストやワークショップ
  • ホワイトボードを使用したり画面を一緒に見ながら進めたほうが生産性の高いMTG

チームビルディング関連

  • 新入社員/異動者の受け入れに伴うオンボーディング
  • チームオフサイト
  • All Hands

チームという枠を超えた情報交換や共有の活性化

  • 開発組織全体で業務の成果を共有する会
  • 開発組織全体の懇親を目的とする会
出社時の交通費

実費精算とする

オフィスでの席の扱い

オフィス移転完了後は固定席を用意

  • コロナが落ち着けば出社が増えると思うので、その場合にも快適に働ける状態を作っておく
  • 中長期的には人員増の状況に応じて柔軟に変更していく可能性あり(全員固定席/一部固定席/フリーアドレスなど)
より働きやすい環境を作るためのガイドライン

ガイドラインは、お互いの環境や状況を考慮した働き方を実現するために定めたものです。例えば下記のような項目です。

  • 出社/在宅が混在するMTGでは全員オンラインでそれぞれのPCから参加したほうが全員が議論に参加しやすくなります。ホワイドボードはオンラインツールを活用するのが便利です。
  • 発表者や議論をファシリテーションする人、入社したばかりの人にとっては、相手の表情が見えたほうが相手の反応や人となりが分かるため、議論を進めやすくなったり、大きな安心につながります。そのような状況では、積極的にカメラをONするようにしましょう。
  • 出社して話したほうが生産性が高い、良い議論ができると分かっていても、それがお互いに言い出しにくい場面もあると思います。出社を推奨する活動の内容に沿って、出社が望ましい場合はチームで話し合って積極的に出社をするようにしましょう。

方針決定までのプロセス

まずは現状把握として、働き方の実態や希望する働き方を知るために市場調査と社内アンケートを実施しました。また、プロダクト開発、Biz、人事、財務など各領域のオーナーからfreeeとして大事にしていきたい観点もヒアリングをしました。

次に、フルリモート・月1出社・週1出社・週5出社などの働き方のパターンと、採用・開発生産性・ライフスタイル・カルチャーなど約30の観点を掛け合わせ、出社パターンごとにプラスマイナス影響を整理しました。

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対象の出社パターンを選んだ時に青はプラスに働く観点、赤はマイナスに働く観点、黄色はその中間として整理

図の見方について補足すると、例えば「開発生産性」においては日常的には在宅でも出社でも大きく変わらないものの、プロダクトの企画・設計に関わるようなMTGやホワイトボードを使用するようなMTGを実施する場合はやはり対面のほうが生産性が高く、月1出社だとそれを十分に満たすことができずマイナスに働くのではないかと考えました。また採用においては、市場調査の結果からリモートベースでの働き方の比重が高いほうがプラスが大きいと考えました。

その結果として、freeeのプロダクト開発組織にとって一番プラスが大きく、マイナス要素ももちろんあるけれども工夫次第でケアできると考えて、「週1以上」を選択することとしました。

制度を作るうえで大事にしたこと

具体的に制度を作っていく中で意志を持って大事にしたのは下記の点です。

  • “freeeとして絶対に守っていきたいこと” を実現するために必要な要素は「ルール」として明確に定める
  • 偶発的なコミュニケーションから生まれる関係性の広がりはfreeeのカルチャーであり、それらはオフラインで生まれるものも多いので引き続き大切にしたい
  • 一人ひとりの気持ちや体調などのコンディションを大事にする文化を大切にしたい
  • それ以外の要素は各自が裁量を持って柔軟に選択し、試行錯誤し続けられるようにルールとしては定めず「ガイドライン」という形でサポートする
  • 定期的に社内アンケートやモニタリングを実施し、方針をアップデートし続ける

その結果として、「週1以上」の出社をルールとし、それ以外はガイドラインとして定めることとしました。

以上が今回アップデートした内容となります。

なお、冒頭で触れた通り、いくつかのチームに協力してもらい、最適な働き方を模索するための様々な勤務パターンで検証を行う予定です。例えば月1出社チームと週1出社チーム、新規プロダクト開発チームとコアプロダクト開発チーム、フリーアドレスチームと固定席チームなどのパターンを想定しています。検証チームのアンケート結果やモニタリングデータをもとに必要に応じて方針をアップデートしていこうと思っています。

freeeのプロダクト開発メンバーにとって何がベストの働き方なのか、この先も模索し続けようと思っていますし、検証の結果見えてきたことや方針のアップデートについては、また次回のブログでも書きたいと思います。