おはこんばんちは、Database Reliability Engineerの橋本です。この記事は、freee Developers Advent Calendar 2022の12日目の記事となります。
この記事では、IT健保が開催していた「歩Fes.」というウォーキングイベントに参加したので、その感想文を書いていきます。
歩Fes. 概要
関東ITソフトウェア健康保険組合(IT健保)が、「歩Fes.」(読み:あるふぇす)というウォーキングイベントを年に2回開催しています。参加には、所属している事業所がIT健保の対象である必要があり、IT健保のポータルサイト「MY HEALTH WEB」のアカウント登録が必要となります*1。MY HEALTH WEBの初回登録に必要な情報は、各事業所で確認してみてください。
2022年秋の歩Fes.は11月1日から30日まで開催され、その間の歩数を競っていきます。日々の歩数は、MY HEALTH WEBのスマホアプリと、iOSのヘルスケアまたはAndroidのGoogle Fitで計測された歩数を連携して記録していきます。期間内の平均歩行量に応じて賞品としてMY HEALTH WEBのポイントを獲得でき、このポイントは一定数貯まると日用品やAmazonギフト券と交換することができます。健康的なポイ活……!!
開催概要を見ると、歩数達成賞として平均歩数が9,000歩以上で1,000ポイント、努力賞として6,000歩~8,999歩で500ポイント、となっているようです。せっかくなので歩数達成賞を狙っていきたいですね。
また、個人で参加するほかに3〜8人のチームとしても参加が可能となっています。賞品は個人の平均歩数とチームの平均歩数でそれぞれ獲得できるので、チームで参加した方がお得です。次回参加する際はぜひ周りの方を誘ってみてください。
私は歩Fes.が開催される旨を偶然社内のSlackで認知し、いままでなんとなく名前は知りつつ機会を逃していたので、勢いで参加してみることにしました。
一日あたりの歩数を意識してみる
実際に歩Fes.に参加するまで一日の歩数を意識することがなかったので、普通に過ごすとどのくらい歩いているのかを把握してみます。
iOSのヘルスケアで10月の歩数を確認してみると、1日あたり平均7,077歩。休日の外出では10,000歩を超えることがありますが、歩かない日は3,000歩を下回る日もあったようです。
まずは適当に散歩してみて、どのくらいの時間で9,000歩に到達するかを確認してみます。普段はリモートワークをすることがほとんどですが、その仕事前に30分ほど散歩をしてみることにしました。11月初旬はまだ日差しが強く感じ、暑いくらいでした。
帰宅して歩数を確認してみると、およそ3,000歩ちょっと。予想ではその2倍を想定していたので、目標は意外と遠い……。9,000歩に到達するには、1時間半ほど歩き続ける必要がありそうでした。
ところで、歩数達成賞の9,000歩はなにを根拠にしているのだろう?という疑問が湧いてきました。MY HEALTH WEBでは言及されていないようだったのでWebで検索してみたところ、厚生労働省が推奨しているようでした。
身体活動量と死亡率などとの関連をみた疫学的研究の結果からは、「1日1万歩」の歩数を確保することが理想と考えられる。日本人の歩数の現状では、1日平均で、男性8,202歩、女性7,282歩であり、1日1万歩以上歩いている者は男性29.2%、女性21.8%である(平成9年度国民栄養調査)。最近10年間の歩数の増加傾向を考慮して、当面10年間の目標として、男女とも歩数の1,000歩増加を目指し、1日平均歩数を男性9,200歩、女性8,300歩程度を目標とする。
1,000歩は約10分の歩行で得られる歩数であり、距離としては600~700mに相当する。その結果1日1万歩以上歩く者は男性37%、女性30%になると見込まれる。
歩くことを中心とした身体活動を増加させることにより、生活習慣病の発症の数%減少が期待できる。(出典:身体活動・運動|厚生労働省、2022年12月7日閲覧。文中の強調は筆者が独自に追加。また、引用元の注釈は省略しています)
「1日平均歩数を男性9,200歩、女性8,300歩程度」。なるほど、歩Fes.の目標値はこのあたりから来ていそうですね。デスクワーク中心でスポーツもあまりせず日常の身体活動が少ない私にとっては、まず目標平均歩数を確保することが健康維持に重要そうでした。また、30分で約3,000歩だった私のペースも、一般的なものだったようです。
こうして、9,000歩/日の目標達成のために歩き続ける日々が始まるのでした。
歩く習慣をつける
1日の基本的なルーチンとして、朝食を摂り、7時から10時までのあいだで1時間ほど散歩または通勤(食料品などの買い物も含む)をしてから仕事、夕食後に軽く夜の散歩というスケジュールを組んでみることにしました。
散歩は自宅の近所を周ることがほとんどですが、私は飽き性なので、毎日同じコースを周るのは退屈さを感じてしまいます。したがって、日ごとにちょっと違う歩き方をする工夫をしてみることにしました。たとえば、目に入ったこの道を歩いたことがないのでちょっと進んでみようとか、気になっていた公園・神社まで行ってみようという具合です。深いことを考えずに好奇心の赴くままに歩いていくイメージでしょうか。
周りを観察してみると「朝早くから開いているカフェがこんなところにあったのか〜」とか「ここが登録有形文化財で、特別公開が開催されるんだ」「きぬた歯科の看板*2がここにも進出していた」といった発見があり、散歩を超えて軽い旅行感覚です。片道だけひたすら遠くまで歩いて、帰りは時間短縮のために路線バスや電車で戻ってくるのも、普段乗らないような路線を使うとわくわくしますね。
ときには近くの丘へ出かけてみたり。エクストリーム出社に近くなってきますが、意外と近隣の方々も歩いています。すれ違う際に軽くあいさつすることが多いため、それを通して(オンラインコミュニケーションが中心の反動で)自分がいまここに存在していることを実感できるのも、気分を高揚するのに良いです。
しかし、ひととおり近所を周ってしまうと発見も少なくなってくるので、後半の方は無心で歩く日が増えてきました。これが意外と飽きることがなく、ある出来事について深く考える余裕ができたり思考をリセットする機会にもなり、むしろ贅沢な時間の過ごし方のように思えてきました。
夜に歩くことはこれまでほとんどなかったですが、静かな道を一人で歩きながら考え事をしたり、気になっていた居酒屋の混み具合を外からチェックするのには最適でした。
たまに東京のオフィスへ出向くことがあり、自宅からオフィスまでの電車通勤およびオフィス内の移動でおよそ7,000歩でした。わずかに足りない分は一駅歩いてみるとか、オフィスビルの階段をひたすら歩いてみたり、昼休憩で外に出てみる*3ことでカバーしています。
なお、東京オフィスの最寄り駅は大崎駅で、周辺になにもない(ビルやタワーマンションが並んでいるだけ)のが特徴といわれています。freeeのオフィス周辺を散策する場合は退屈しないようにする工夫が求められるかもしれません!
散歩以外で歩数を稼ぐ
突然ですが私は山歩きが趣味でして、休日は毎月どこかへ登りに行ったりしています。日帰り登山だと歩きやすさや距離にもよりますが、6, 7時間の山行(歩行距離10km程度)と行き帰りの電車・バスなどの移動で20,000〜30,000歩近くまで稼げます。平地よりも歩行スピードが遅くなるので、時間あたりの歩数で見ると少なくなります。秋冬の低山は体感温度もちょうど良く、空気が澄んで見通しも良いため、開放感を得られます。
もはや歩行ではないですが、スマホをポケットに入れた状態で自転車を走らせても歩数としてカウントされます。身体活動という意味では有効なので許容範囲でしょうか……?
ときおりロードバイクを出すことがありますが、レースに出たり速さを求めるよりもまったりロングライドする派でして、1時間漕いで3,000歩程度の記録となりました。歩行の半分のペースですね。散歩に飽きた場合の次の手段としても良いです。
また、私はあまりやりませんが、ランニングとかポケモン GOのような位置情報ゲームとは相性が良い気がしており、実際に行なっている方の記録を聞いてみたいです。
1ヶ月間歩き続けた所感
いろいろ試行錯誤しながら歩き続け、1ヶ月間の合計歩数は367,063歩(平均12,235歩/日)。目標の9,000歩/日を越えて達成です!くぅ~ 疲れましたw
今年は晴れの日が多く、一万歩以上歩く日がほとんどでした。雨の日は5,000歩程度に留まりましたが(それでも歩いた方だと思っています!)、そのぶんほかの日でカバーするような具合です。
参考まで、MY HEALTH WEBで記録された、1ヶ月間の日ごとの歩数のグラフを以下に示します。横軸は日付、縦軸は歩数を表します。
継続の一番の難しさは、時間の確保だと思いました。仕事や家事などをこなした上で、さらに身体活動のための時間を毎日捻出するのはけっこう大変な印象です。むしろ、このイベントをとおして難しさを理解した上で、どのようにすべきか考える機会をつくるのが本来の意図だったのかもしれません。
効率的に活動量を増やそうとすると、いわゆる「タイパ」(タイムパフォーマンス)を求めてしまうように意識が向いてしまいます。たとえば、「タイパ」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書 から、「何か別のことをしながら同時に行う」こと、たとえば散歩をしながらPodcastやオーディオブックを聞くような話はときどきうかがいます。または買い物や家族の送迎のように無意識に日常生活に組み込めるのが理想かもしれません。
一方、あえて積極的に情報を取り入れたりせずに周囲を観察したりもくもくと歩くことで、心を無にしたり、あるいは一人でじっくり内省する機会を作ることもでき、私はこの時間を求めている面もあります。感覚としてはサウナや筋トレ中のような意識で、これらのアクティビティはマインドフルネスに近いものを感じています。
マインドフルネス(英: mindfulness)とは、現在において起こっている経験に注意を向ける心理的な過程である。 瞑想、およびその他の訓練を通じて発達させることができるとされる。
語義として「今この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに捕らわれのない状態で、ただ観ること」といった説明がなされることもある。 しかし、とりわけ新しい考え方ではなく、東洋では瞑想の形態での実践が3000年あり、仏教的な瞑想に由来する。
(出典:マインドフルネス - Wikipedia、2022年12月7日閲覧。CC BY-SA 3.0)
調べていくと、どうやらマインドフルネスの一つとして「ウォーキング・メディテーション」というのもあり、私が無意識に行なっていたものはこれに相当するものだったかもしれません!仕事前に散歩をすると気分がリフレッシュされて、仕事モードに移りやすい実感があります。ここまでくるとタイパの真逆の方向であり、もはや趣味の一つとして行動しているような状態になりそうです。
また、11月に開催されたことで、ちょうど紅葉を楽しめる季節だったのも良かったです。木々が鮮やかに色づいて落葉するまでの流れをじっくり観察する機会も、毎日のように外出しないとなかなか得られないものでした。
12月からは気温も下がり日照時間も短いため、出不精にならないかが心配です。
まとめ
歩Fes.への参加を通して、毎日の運動や時間の使い方を意識してみました。読者のみなさんも、この記事をきっかけに実践してみるとうれしいです。