freeeの開発情報ポータルサイト

新卒エンジニアが全社員が集まるミーティング"WeeklyAekyoHour"のテーマソングを作った話

はじめまして、21新卒入社のtomoriと申します。 新卒研修を終え、6月からデータ基盤チームに配属されて日々エンジニアとして奮闘しています。 ですが、今回はエンジニアリングではなく、音楽を作った話をします。

一体新卒の僕が何の音楽を作ったかというと、freeeの全社員が集うミーティング「Weekly Aekyo Hour」のテーマソングを作りました。 この記事では、作ることになった経緯や全社員が集まる場のテーマソングをどのように形にしていったか、などのお話していきます。

注:所々、音楽用語が出てきます。ご了承ください。

Weekly Aekyo Hourとは

Weekly Aekyo Hour (以下WAH) とは、freeeの全社員が月に2~3回集まる全社ミーティングです。 このミーティングでは、社員の小噺やイベントのお知らせ、CEOの一言など様々な人たちが話す場となっております。 昔は全社員が同じフロアに集まっていましたが、コロナの影響もあり現在はライブストリーミングを使った配信形式で実施されています。

詳しくはnoteにて過去にWAHの司会をされていた方が説明しています。

note.com

なぜ作ることになったのか

なぜ入社したての僕がWAHのテーマソングを作ることになったのかというと、僕が軽い気持ちで「音付けたい」と配信にコメントしたからです笑

「さらに音付けたい」というライブストリーミングのコメント

というのも、WAHには下記のような専用イラストがあり、配信前にはこのイラストを使ったアニメーションが流れるという演出がされています。

Weekly Aekyo Hourの専用イラスト

これを見て「音あったらもっと雰囲気出そう!」と思って上記のコメントをしました。 このコメントが司会の方々の目に入ったらしく、後日で「音楽作ってくれませんか?」と直接提案をいただきました。

ちなみに、僕は音楽なんて一度も作ったことがない...... なんてことはなく学生時代にサークルや同人活動の一環で作曲をしており、現在も趣味で曲を作って提供したりしています。 とはいえ、ちゃんと依頼を受けて楽曲制作するのは今回が初めてでした。

自分にとって挑戦的な課題になると思いましたが、入社時から「エンジニアリング以外の部分でも何か会社に貢献できたらいいな」と思っていたので、二つ返事で引き受けました。

(ちなみに僕は専門学校や音大を出ておらず、独学で作曲を身に付けた人間です。)

どのように音楽に落とし込んだか

まず司会の方々と壁打ちを行いました。 実際にどのようなシーンで使われるのか、WAHはどのようなコンセプトでやっているのか、あたりを話しました。

その内容が下記です。

使用シーン
・「それではいってみましょう!」のようなかけ声にあわせて曲が流れる
・冒頭にインパクトがあり、その後はBGMとして薄ら流れる
・オープニングテーマのような存在
WAHのコンセプト
・ワイガヤ感、かっちりしてなくてワイワイやってる
・freee社員が主体的に行っている、一体感
・ボトムアップ感

これらを踏まえて、このコンセプトに合う曲を作って欲しいとのことでした。平たく言うと「WAH感が欲しい!」ということですね。 正直言ってすごく抽象的でした笑

この取り組みでの一番難しかったポイントが、この抽象的な要望を具体化してかつ音楽に落とし込むことです。 僕は音楽をやってきてこんなことやったことなかったのですが、使える頭を振り絞ってこの課題に取り組みました。

まず、要望を具体化していきました。 1つ1つの要望を分解して、実際の音楽的な要素に当てはめていきます。下記の図が子要素に分解したものです。

(実際は頭の中でやりました。マインドマップって便利ですね。)

要望をマインドマップで子要素に分解した図

分解した子要素をまとめると下記のようになります。

リズム:4つ打ち、ラテン系
BPM:100 ~ 140, 160 ~ 180
ジャンル:Future系、複合系
曲調:ポップ、EDM
コード進行:456進行 etc
雰囲気:ラジオ、パーティイベントのオープニング

このようにまとめると、どういう曲を作ればいいのかわかりやすくなりました。 と言いつつ、2~3日はPCの前で「う〜ん」って言っていた記憶があります笑

同時に参考曲のピックアップを行いました。 上記で挙げた要素を持つ曲を探して、音の使い方などを仕入れていきます。 この作業は今回のような制作に限らず、普段の作曲でも行っていたので、難なく進めることができました。

楽曲制作

(この項は楽曲の解説をしてるだけなので読み飛ばしてOK)

ある程度、曲の全体像がイメージできたら実際の曲作りに取り組みました。 今回は完成度4~6割ぐらいのデモ楽曲を2つ作成し、それを司会の方々に聴いていただき採否を決めるという形で進めていきました。

楽曲1

ジャンル:Future Bass
リズム:2step
BPM:172
曲調:電子音を多用したEDMっぽい感じ
コード進行:456進行
雰囲気:パーティイベントのオープニング

1つ目の曲はパーティイベントのオープニングっぽさをイメージして作りました。 また、個人的にfreeeは 新時代!のような近代的なイメージがあったので、電子音を多用したFuture Bassに仕上げてみました。

結論からいうと、こちらは不採用となりました。理由としては、パーティ感が強すぎてWAHというよりかは全社祭のような大規模イベントの雰囲気になってしまったからです。

(テンションノートを多用したり、あえて部分的にスケールを外すなどしたせいかゴチャゴチャしてしまい、BGM感が薄れてしまったのが個人的な反省点)

楽曲2

ジャンル:Piano House (生楽器を多用した複合系)
リズム:4つ打ち
BPM:130
曲調:ポップ
コード進行:456進行
雰囲気:ラジオのオープニング

2つ目の楽曲はラジオのオープニングを意識して作りました。生楽器の音を多用することでいろんな楽器がいるけど一緒の曲になってる一体感をつけてみました。 また、freeeの新ブランドムービーの楽曲が生楽器中心のアコースティック系だったので、そちらの要素も入れたいなと思い取り入れました。

最終的にこちらの楽曲が採用されました。 理由としては、明るいけど明る過ぎずWAHの雰囲気に合っているとのことでした。2曲ともボツになる未来も考えていたので、1回目のデモトラック提出でOKを頂けてすごく安堵したのを覚えています笑

完成 & 公開

完成したテーマソングがこちらです!

採用された後は、デモトラックをちゃんと聴けるように仕上げ作業を行いました。 この作業に思ったより時間がかかってしまい、7月下旬にこの話をいただいていたのですが、曲が完成したのは8月末でした。 空いてる時間を使いながら作業したとはいえ、1ヶ月以上かかってしまうとは思いませんでした。

(2週間ぐらいでできるやろって思ってました笑)

初めてテーマソングが流れた配信で、freee社員の皆さんから「すごい!」などのコメントを寄せていただいてすごくホッしたのを覚えています。

(実際、僕はプロの作曲家ではないのですごくプレッシャーを感じていました笑)

やってみた感想

やってみた率直な感想としては「まさかエンジニア入社した会社で楽曲提供することになるとは!」です。 こういう面白い経験はfreeeに入社してなかったらできなかったかもと思ったり笑 実際いろいろ試行錯誤しながら曲を作り上げていくのがすごく楽しかったです。

もちろん、全社員が関わるミーティングにアウトプットを出せたのは素直に嬉しかったですし、新卒としてちょっとは会社に名を残せたかなーと勝手に思っています。

以上、新卒エンジニアが音楽作った話でした!