こんにちは。 この記事は freee Developers Advent Calendar 2024 - Adventar 18日目の記事です。
担当するのは債権と請求書ドメインでPdL(プロダクトリード)をしているJumpです。以後お見知り置きを! 今日はfreeeのロールモデルのひとつであるPdLとはなにか、何をしているのかの一例を紹介しようと思います。
そもそもPdL(プロダクトリード)って何?
理想のユーザー価値を実現するリード人材でfreee の名称では PdL、プロダクトリードと呼んでいます。 ここ数年で生まれた出来立てほやほやのロールモデルです。
PdM(プロダクトマネージャー)とは何が違うん?
プロダクトをリードしていくといえば、一般的にはPM(プロダクトマネージャー)を思い浮かべる方が多いのかなと思います。PdMは事業計画を司り、ユーザー体験を向上させていくのはもちろん、例えばARRの向上やChurnに対する施策検討などどちらかというと事業面を起点にプロダクトにコミットさせていく側面が強いです。
大きく分けてもプロダクトの将来像の定義、 OKR・ロードマップ策定、調査・分析、要件定義・デザイン...etcとやることがいっぱいです(笑)。その中で開発優先度があげづらく考慮しづらい運用保守や性能課題や技術負債などの中長期での打ち手を、コードレベルの技術目線であったり、現場で身につけたドメイン知識をベースにプロダクトをリードしていく役割をPdLという人材が担っています。
例えば下記のようなことを日々行っています。
- パフォーマンス劣化などを指標化して、カイゼンに向けての取り組みを行なっていく
- 他プロダクトやサービス連携しづらくならないように企画段階で中長期目線でのモデリングやサービス設計を行う・レビューに関与する
- レガシーコードのリーディングを行い、中長期にかけて負債解消していけるようにPdMと協力してプランニングを行う
ようは事業戦略などトップダウンでリードしていくのがPdMで、実際に動くコードレベルの知見やプロダクト開発で培ったドメイン知識を活かして戦術面でリードしていくのPdLだと考えるとわかりやすいですね!
プロダクト開発における役割分担は?
freeeでは定めたロードマップをベースに、PdMが企画やリサーチ・要件定義を行い、その後エンジニアが設計・開発を行いテストしてリリースするのような開発フローを週次、月次、ないしは四半期の単位でPJ化して開発を行っています。
上記の図で見た通り企画のタイミングでエンジニアが関与できるとは言いつつも、メインで動くのはPdMです。が、開発された機能の運用保守や細やかな仕様変更、組織間での異動など波乱の日々の中で長期間同じ領域での開発を担うのはエンジニアの方が経験として多かったりします。
故に事業が長く継続するとPdMよりもプロダクト知識に富んだエンジニアが生まれやすくなるという逆転現象が発生したりします。そういったエンジニアが現場レベルでの課題感を吸い上げて、トップダウンに押し進めることで新たな価値を提供していくのがPdLの醍醐味ですね!
プロダクトに対する向き合い方の違い
会計でいうところのPL(Profit and Loss statement)思考、開発したプロダクトで売上や利益をどれだけあげられるか定量的な結果をPdMは求められるので、コスト構造よりは収益性を意識することが多い所感です。逆にPdLはBS(Balance Sheet)思考、自分たちが作ったプロダクトや機能が資産になっているか、将来にわたって負債化しないか、負債化した機能どう解消してスケールさせていくか、あるいはどれくらい運用保守コストがかかるかを意識するという中長期での対応策を考えることが多いですね。
利益だけ追求してもコストの方が高くなりすぎると黒字倒産してしましますし、逆に資産性・機能性だけを意識しすぎて顧客に使われないプロダクトは売上が立たず事業自体継続できないですよね。どちらかに偏りすぎないように相互フォローすることでプロダクト価値、強いては顧客体験を最大化していけるのがベストだと思っています。
PdLとかPdMとか色々ありつつも....
それぞれ持っている経験やスキル、見えている世界やコンテキストを相互に補完しながらプロダクトの価値を最大化し、より多くのユーザーにこのプロダクトを使っていてよかった、今後も使いたいと思わせるような体験を届けていくことが目的です。重要なのはPdMだから事業面しかみない、PdLだから技術にしか関心を持たないみたいに役割分担をしすぎず、協力しながらも時にはお互いのロールを飛び越えて最高のプロダクト作りをしていけるとよいですよね! ただしお互いに兼務しすぎて、中途半端にならないようにだけは気をつけましょう(笑)。
最後に
PdLというロールは目指すものというよりは結果的にそうなっているものだなーと個人的に思います。 コーディングや共通サービス・基盤作るのが好き!ってタイプの人は必然的にTL(テクニカルリード)としての道を進まれるので、 技術を駆使してプロダクトを作るのが好き!いっぱいユーザーに使ってもらって世の中を良くしていきたい!!というメンタリティーの人がたどり着くロールモデルとしては最高なのかなと。いろんなロールモデルがあるのって素敵やんと思う今日この頃なのでした(〜Fin〜)
来週は同じチームでオンボーディングパートナーだったJasonさんが担当されます、ぜひお楽しみに〜
参考資料:10分でわかるPdM