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GYOMU Hackers Guildを2年間運営してわかった、コミュニティ運営のコツ

こんにちは。freee株式会社で初代GYOMUハッカーとして、GYOMUハック(a.k.a 業務ハック)チームに所属しているmiryです。

GYOMUハックチームではマーケティングやセールスチームなど社内のビジネスチームが日々業務で使うシステムの構築、データ設計、業務設計・業務効率化、課題解決などを行なっています。

GYOMUハックの仕事については記事を書いたりしていますので、ご興味のある方はお時間のある時にぜひご覧ください。

codezine.jp

先日、私の運営しているコミュニティであるGYOMU Hackers Guildが2周年を迎えました。

最近コミュニティ運営についていろんな方に相談されるようになったので、せっかくなのでみなさんにもご紹介できればと思います。

覚えておいてほしい3つのこと

私がコミュニティ運営を2年続けてきてたどり着いた、大事だと思うことは次の3つです。

  1. どんなコミュニティにしたいのかを参加者に伝える
  2. 定期的にイベントを開催する
  3. できることだけやる

簡単なことですが、なかなか実践できないものでもあります。 私がやってきたコミュニティ運営の振り返りと共に、書いていきます。

GYOMU Hackers Guildの歴史

始まりは悩んだから

コミュニティを作ろうと思ったきっかけは、GYOMUハックというポジションが当時社内に1人しかおらず、相談相手や壁打ち相手がいなかったことでした。 もちろん相談すれば他のエンジニアも応えてくれる環境はありましたが、やっていることの毛色が違いすぎて、このままではいけないなという漠然とした不安を抱えていたのです。

そんな時、外部のいろんな勉強会に参加して、同じようなことをやっている人はいないのかといろいろ探していました。 ですがやはり技術系のイベントが多く、業務改善系の勉強会をやっているところは見つけられなかったのです。

途方に暮れていたある日、Salesforceの方が参加する某社でのイベントで初めて同じような仕事をしている人と出会いました。その方のお話が、完全に当時の私の悩みとフィットしていて、衝撃を受けたのを覚えています。そして、同じ悩みを抱えているのが自分だけではないと確信したのです。

その後、その方とのお話がきっかけでコミュニティを立ち上げる運びとなりました。

最初に決めたこと

コミュニティを始めるうえで最初に決めたのは、どんなコミュニティにするのか、でした。 どんな人にきてもらいたくて、どんなことが得られるイベントを開催するのかを決めました。

いろいろ悩んで「ITをつかって業務改善プロジェクトをしている/ビジネスチームとやりとりをすることが多い」とか「BPRを推進している」とか書いています。

当時まだサブスクリプションビジネスのサービスが日本でも導入され始めたばかりで、GYOMUハックのような仕事をしているのが情シスや社内SE、BPRといろんな呼ばれ方をしていたこともあり(これは今もですが)、書き方には苦労しましたし、いまもこれがベストかはわからないのですが、だいたいターゲット層の方が来てくださっているので、わりと満足しています。

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イベントの様子

そして、コミュニティの目的は次の通りにしました。

  • 業務改善系の社内エンジニアと交流すること
  • 意見交換会をすることによってKnowledgeを得ること
  • 新たな刺激を得ること
  • 会社を超えて気軽に相談する関係が築けること

ナレッジがどうしても社内に閉じがちなので、その枠を取っ払っていきたいなという強い思いがあったのです。

実際にコミュニティをやってみての苦労

絶対に継続しよう、隔月開催しよう、と最初に決めました。 そしてはじめは他の勉強会のように、いろんな会場で開催してみよう、軽食や飲み物を準備しよう……と考えていて、実際やってみました。しかし思いの外調整の負担が大きく、すぐにくじけそうになりました。このままじゃとても面倒すぎて続けられないという危機感から、できることだけやろうと割り切りました。

その結果、現在はこんな工夫をしています。

  1. 会場は毎回勝手知ったるfreeeのオフィス内イベントスペースを使う
  2. 飲食物は準備しない。参加者に自分で買ってきてもらう
  3. 募集にお手伝い枠を作って、受付やマイク運びを参加者に手伝ってもらう

本当にただこれだけですが、会場の調整や飲食物の準備がなくなっただけでも本当に楽になりました。あとは当日のスライドの準備(テーマを書き換えるだけ)をするだけ、くらいまで準備に手間がかからなくなりました。 そしてありがたいことに毎回30人以上、多い時には50人は集まるコミュニティに育ちました。

モチベーションの維持が一番たいへん

こうしてほぼワンオペコミュニティとして13回続けて開催し、無事に2周年を迎えたGYOMU Hackers Guildなのですが、一番たいへんなのがモチベーションの維持です。 1人で盛り上がってるんじゃないのとか、反応ないとか、当日のドタキャンとか……全部完全に私のダメージになります。

そこで毎回イベント開催の際には、自分から参加者に思いを伝えるようにしていて、コミュニティは一緒に作り上げるものなんだよ!って声を大にして言っています。 そう伝えることで、そのコミュニティに賛同してくれる人が残りますし、主催者からしても参加者からしてもWin Winの関係を築けると思っています。

Facebook Groupの投稿

モチベーチョンがだだ下がりすると、唐突にエモいことを言い出したりもします。 というわけで、今目下の課題は私のモチベーション管理です。笑

コミュニティ運営で利用しているツール

世の中には便利ツールがたくさんあるのですが、私がGYOMU Hackers Guildで使っているツールを紹介します。

connpass

いろんなイベント管理システムがあったのですが、結局connpassに落ち着きました。便利なところは、

  • いろんなアカウントがTwitterで拡散してくれる
  • 参加者へのメッセージが送れる
  • 管理者を複数設定できる

などの点です。以前使っていたツールではかなり集客に苦労しましたが、今ではほとんど集客に苦労しなくなりました。

gojo

グッズを作りたい!という気持ちが高まって、使い始めたのがgojoというサービスです。共通財布を作ることができます。 お金を利用する際は承認制なので、お金の流れが見える化できます。

おかげさまでみなさまの寄付のおかげでステッカー作成できました👏

GYOMU Hackers Guildへの思い

最後はコミュニティ運営の話というより自分のコミュニティへの思いみたいな話をしますと、GYOMUハックという仕事は本当に最近出てきた新しいエンジニアの形だと思っています。 今までは自社開発という選択肢が主流で社内SEがごりごり頑張って作ってきた社内システムですが、クラウドやサブスクリプションビジネスの台頭により様々なSaaS、PaaSがでてきて、それを取り入れる企業が増えてきています。

そうなった時にツールを取り入れれば業務改善できるという魔法みたいなことは絶対にないので、データ設計やシステム間連携など緻密なエンジニアリングが必要になるのです。それをやっているのが、GYOMUハッカーたちなのです。 これからどんどんサービス導入は増えていくと思うので、GYOMUハック界隈をみんなで盛り上げていきたいです!

コミュニティでは素敵な仲間と出会えます

みなさんも、なにかの思いが溢れたらぜひ、コミュニティ運営してみませんか。きっと素敵な仲間に出会えますよ! 長々と書きましたが本当にこのコミュニティをやってきて良かったと感じていますし、私自身も素敵な仲間に恵まれました。

コミュニティやってみたい、コミュニティ運営難しそう、続けるのが辛い、と思っているこの世界の誰かに届いたなら嬉しいなと思います。 大事なのは本当に次の3つだけです。

  1. どんなコミュニティにしたいのかを参加者に伝える
  2. 定期的にイベントを開催する
  3. できることだけやる

いつかコミュニティ運営しているみなさんで集まって、あるある話で盛り上がりたいななどと画策しています。

もし興味ある方はお声掛けください。

最後までご覧いただきありがとうございました!