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「ノンプログラマーのためのfreeeAPI活用講座」を開催しました!

こんにちは。freeeのPMM(プロダクトマーケティング)チームでAPIの活用支援をしております、谷と申します。

先月3/18から4/10、4/17の3日に渡って「ノンプログラマーのためのfreeeAPI活用講座」というイベントを開催し、講師をさせていただきました。

こちらについて、イベント内容のご報告と「ぜひ自分も取り組んでみたい!」という方のために、講座内容をレジュメやサンプルも含めて全て公開させていただきます。

「freeeを利用しているけども、まだAPIを活用できていない」という事業者様がいらっしゃいましたら、ぜひご参考ください。

イベントについて

弊社プロダクトの会計freee、人事労務freeeでは、API *1というものを公開しています。

support.freee.co.jp

APIを用いると、freee外のアプリケーションにてfreeeのデータを取得したり、新規登録したりすることができます(もちろん認証などの手順を踏まないで勝手に操作することはできません)

今回の「ノンプログラマーのためのfreeeAPI活用講座」では、今までプログラミングをほとんど行ったことのないfreeeを利用しているの経理の方々をお呼びし、Google Apps Script(通称GAS)を使用して”経営管理資料の作成自動化”を最終目標として、APIを活用してみるハンズオンイベントでした。

第一回(3/18開催)の様子

第一回では、そもそもAPIとは?という解説から、Google スプレッドシートを用いて、会計freeeから勘定科目の一覧の自動取得を行ってみるところまで行いました。

20名以上の参加者のみなさんがPCに向かっている写真
20名以上の経理担当者様が、APIを実際に叩いています

みなさん、最初は悩みながらでしたが、freeeからデータが取得でき初め「やった!」という声があちこちから聞こえてきました。

また、特に詳しく説明はしなかったのですが、皆さん勘定科目の取得ができれば、同じような取引先情報や、部門情報の取得なども同じ要領でスイスイと取得されていました。(すごい!!)

第二回(4/10開催)の様子

前回から少し日が空きましたが、第二回では試算表の取得を行いました。 試算表とは、貸借対照表や損益計算書のことで、会社の財産状況や収益情報が詰まった「資料作成において、最もよく使うデータ」の1つです。

講師の私も、参加者の皆様にいよいよ実践的なことをご案内することができるので、ワクワクしていました。

実際に損益計算書を取得して、自動で売上高販管費率を計算してくれるツールを作りました

Googleスプレッドシート上に構築された売上高販管費率を計算するツールのスクリーンショット。
売上高販管費率を計算するツール

今回行った分析資料作成は、非常に簡素なものです。 しかし、貸借対照表、損益計算書さえ取得できれば、あとはスプレッドシートの関数で自由に計算式を組んで分析資料を作ることができます。

今までCSVでデータダウンロードして貼り付け...を何度も繰り返していたことを考えれば、十分これだけでもAPIを使う価値がありますね。

第三回(4/17開催)の様子

最後となる第三回では、前回の試算表取得の応用編を学習しました。 例えば、試算表の取得期間を変更したり、取引先ごとの内訳金額を表示したりと言った内容です。

かなり盛りだくさんな内容で、正直詰め込みすぎかな、と心配していました。

しかしご参加いただいた皆様は第一回から顔つきも変わって、難しいところでも真剣な表情で前のめりで話を聞いていただき、無事皆さん最後まで完走されました。

本当にお疲れ様でした。

真剣な顔つきで講義を聞いている参加者のみなさんの写真
真剣に講義を受けていただいています、すごい集中力...

軽食とドリンクを片手に真剣に話をする参加者のみなさん
懇親会で会社の垣根を超えてAPIについて熱く語っています

全三回のコンテンツを作るにあたって大事にしたこと

プログラミングを学ぶ手順としては、教科書的には、基礎を学び、その後具体的なものを作っていく、という流れかと思います。

しかし、本イベントでは「変数宣言、配列、ループ処理...」などのお話は、第一回からコピぺで利用はしながらも、詳細な仕組みは最後の回で説明をしました。

これは、最初からプログラムの基礎的なことを始めてもイメージがしづらいこと。また、参加者の皆さんが親しみのある試算表などの取得をしてみて、「楽しい!嬉しい!」という体験をしてもらって、プログラミングに対する恐怖感を無くして欲しかったことが背景にあります。

ループを解説するイラスト。1階から10階に牛乳を届けるのを例に説明している
最終回にて、ずっと使っていたループ処理についてやっと説明

実際、第三回では、コードの詳細な解説をすることで「あ〜〜ここってそういう仕組みだったんだ!」と参加者の皆様嬉しそうにうなづいてくださっていたのが、とても印象に残っています。

参加者様の中には「数年前にプログラミングに取り組んだが挫折した」という方もいらっしゃいましたが、参加後のアンケートでは「プログラミングを楽しいと思えた」というお言葉をいただき大変嬉しかったです。

アンケートにてNPS(ネット・プロモーター・スコア)を測定していましたが、こちらも最終回は73と非常に高い満足を感じていただけたようです。

講座で使用したレジュメ

このような内容で進めた本講座ですが、第一回〜第三回のレジュメを下記で公開しています。自分もAPIを使ってみたい!という方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

第一回レジュメ(APIの説明と勘定科目の取得アプリの作成)

第二回レジュメ(試算表の取得と加工:基礎編)

第三回レジュメ(試算表の取得と加工:応用編、GASサンプルあり)

GASはノンプログラマーの味方!!

freeeAPIを使ったアプリケーションを作るとなると、Oauth2.0認証*2というものが必要になります。 しかし、今回はGoogle Apps ScriptのOauth2.0認証ライブラリを活用することで、簡単に認証を済ませられるようにしています。

また、「毎朝自動で試算表を取得する」などのバッチ処理に関しても、Google Apps Scriptのトリガー機能を使用することで、マウス操作だけで完結することができます。

Google Apps Scriptのトリガー機能を設定する画面のスクリーンショット
Google Apps Scriptのトリガー機能....とても便利!

このように、1からコードを書かなくても、十分現場で使えるアプリケーションを作ることができるのは、本当にノンプログラマーにとってはありがたいな、と思います。

経理の方がプログラミングを学ぶ意義

経理の方の主な仕事は、会計帳簿の作成です。そして、会計帳簿は社内のあらゆる情報を吸い上げて、そして外部に報告する必要があります。

それゆえ、社内の業務フローの課題発見や、その改善の道筋について、全体感を持って考えることができるのは経理の方の特筆すべきスキルだと思います。

その既に持つスキルを十二分に活かすために、「簡単な問題なら解決策を自分で実現する力」を身につけてもらいたい、というのが本講座の目的でした。

これからもこのような活動を通して、経理の方が持つ「仕訳を正しく打つ力」だけでなく、「業務フローの課題解決力」がもっともっと発揮されるようにしていきたいなと思っています。

なお、5月には実際にAPIを活用されている企業様の事例等が聞けるセミナーも開催予定となっております。 ご興味のある方のご参加をお待ちしております。 go.freee.co.jp

誰でも技術を活用できる世界に

freeeではユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えることをする、ということを「本質的(マジ)で価値ある」として価値基準に掲げ何よりも大事にしています。

そのためには、「プロダクトを作る、売る」だけではなく、今回のように世の中の経理の人がもっと輝けるように、という取り組みも進めています。

しかし、このようなことができる世界観は、APIの開発はもちろん、社内外の様々なエンジニアの方が作りあげたことで成り立っています。(ちなみにfreeeでは、2013年のプロダクトリリースと同じ年にAPIを公開しています)

もし、このような世界を一緒に作って、実現していきたい!という方は、現在エンジニアを募集をしていますので御応募お待ちしております。

jobs.freee.co.jp

*1:Application Programming Interface: 外部のアプリケーションとデータのやりとりをするためのインターフェース

*2:APIを通してfreeeのデータを操作するために、誰がその操作をしようとしているのかを認証する必要があり、そこでOAuth 2.0という規格を使用します