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- 常にアウトプットしながら物事を考える Working Out Loud という思考様式がある
- アウトプットは完成物でなくても良い、途中経過だったり試してみたことを記録するだけでも大きな意義がある
- コミュニケーションのきっかけになったり、自分の考えの整理になったりと色々捗るのでオススメ
はじめに
こんにちは、freeeでアドバイザー(税理士事務所・会計事務所)向けの機能開発を担当している plant です。
freee では、今年も4~6月にかけてプロダクトチームの新卒研修が行われています。自分は今年、チーム開発研修のメンターとして任命されたので、新卒メンバーが開発に奮闘するのを見守っています。
具体的な新卒研修の内容については、2020年のブログ を読んでいただければ、イメージが掴めるかと思います。
そんな中で新卒メンバーに「自分が仕事をする上で大切にしていること」を伝える機会があったので、今日はそのことを紹介しようと思います。
具体的には、タイトルにもある通り Working Out Loud という思考様式を大切にしています。
Working Out Loud って?
Working Out Loud のコンセプトについては、スタディサプリさんの Working Out Loud 大声作業(しなさい)、チームメンバー同士でのトレーニング文化の醸成 という記事が非常にわかりやすくまとまっています。(自分が Working Out Loud という概念を知ったのもこの記事です)
上記の記事から概要を引用します。
Working Out Loud(コラボレーションによる成果の達成)= Observable Work(作業の可視化)+ Narrating Your Work(作業の共有)
このコンセプトは、ソフトウェアの開発プロセスに限ったものではなくキャリア論などより広範な範囲に対しても適用することができますが、この記事は主に開発プロセスに焦点を当てた内容となります。
要は、自分がやっていること、考えていること、悩んでいること、分からないこと、次にやろうとしていること... などの思考過程を他人が見える場所にさらけ出すことで、自分にとってもチームにとっても良い効果が得られるということです。
"out loud" で「声を出して」という意味になるので、Working Out Loud は直訳すると「声を出しながら働く」というイメージになります。
Working Out Loud の実践と恩恵
自分が Working Out Loud を実践してみて、感じているメリットは次の3点です。
- 自分の思考が整理される
- 自分の思考が可視化、共有されることで予期せぬコラボレーションに繋がる
- アウトプットのハードルが下がる
自分の思考が整理される
自分がよく行なっている Working Out Loud 的取り組みの1つは、slackに作業用のスレッドを立ててそこに一人でつらつらと作業メモを残すというものです。
自分では分かっていると思い込んでいたのに、言語化しようとすると詰まってしまうという経験は誰しもあると思います。つまり、言語化できないものは自分の中での理解が曖昧で、解像度が低い状態だということになります。
頭の中での解像度が低いままだと、問題を問題として認識できずにスルーしてしまったり、より深い考察をすることは困難です。
一見当たり前のように聞こえますが、これを意識して行うのは難しいです。
そこで、Working Out Loud 的に slack に思考を dump することで「自分が何を理解していて、何を分かっていないか」「今やっていることは何か」というのが明確になります。
自分は、書くコストよりも、書くことによって思考が整理されるメリットの方が大きいと思っているので、不確実性が高い作業であればあるほど、メモを残しながら作業したほうが早く終わると思っています
自分の思考が可視化、共有されることで予期せぬコラボレーションに繋がる
また、自分の考えをアウトプットし続けていると、他の人から反応をもらえることもあります。
もちろん、by-name で誰かに直接質問した方が良いものもありますが、他人の時間を割いてまで聞く気にはならないちょっとした「?」を他の人が知っていて教えてもらえるパターンもあります。
リモート下ということもあり他の人が何をやっているか分かり辛いですが、Working Out Loud によって作業内容の可視化が行われ、そこから学びを得たり面白いことが起きたりします。
アウトプットのハードルが下がる
Working Out Loud を続けていると、自然とアウトプットの総量が増えるため、自分の中でのアウトプットのハードルが下がってきます。
アウトプットを続けることで質も自然と上がってきますし、自分の意思を前面に出すことで、より主体的にタスクに取り掛かれるようになると思っています。
Working Out Loud の注意点
何かをアウトプットする以上、他の人からの見え方は一定気をつける必要があります。
例えば、チームで利用しているチャンネルにつらつらと考え事を連続でポストすると、チャンネルのログが流れてしまったり、未読通知が頻繁についてしまったりします。なので、思考の整理にはスレッドを利用するのが推奨です。
逆に、プロジェクトに関係する質問などは関係者の目に付くところにポストするようにした方が、他の人の助けになります。
最後に
以上が、自分が大切にしている Working Out Loud という考え方の紹介でした。興味を持っていただいた方は是非一度試して見てください。
freee では Working Out Loud に働きたいエンジニアを募集しています。興味がある方はぜひご気軽にご連絡ください。