この記事はfreee Developers Advent Calendarの7日目です。
こんにちは、freeeの浅越です。社内では主に「こっしー」と呼ばれています。
人事労務freeeという素敵なサービスのPM(プロダクトマネージャー)をやっています。
自分がこのお仕事をはじめたのは2018年の1月からです。CS(カスタマーサポート)から転身して前任からPMを引き継いでもうすぐ1年、それまでは開発とはほぼ無縁なポジションでした。「自分は開発未経験だけど、PMって何をやる人なの?どう振る舞えばいいのかな」と当初は結構悩んでおり、生の声を求めて人に聞いたりネットを漁ったりしていたのをしみじみ思い出しています。
ということで、ここではPM二年生になりつつある自分が、PM一年生の自分にアドバイスをするとしたらどんな事を話すかな…という文章を書きます。ハウツーというよりは個人の感想・エモ寄りで、居酒屋で説教をするような内容です。過去の自分に届け。
曖昧でなんだか難しそうな職種
「PMの役割は多岐に渡り、企業や製品によって業務は異なる」とか、「役割についての曖昧さこそがプロダクトマネジメントの本質である」みたいな話、結構がっつり語られている事が多いと思います。プロダクトマネジメントトライアングルとか有名ですよね。
いつ見ても正しい事言っているな〜と感じるのですが、これ、なかなか難しいと思うんです。最初にこれを見て「なるほど!よっしゃ頑張るぞ!」となると敷居高い・悩み空回りしがち・意識が高い方向に飛びがち(揶揄する意図はないです)な気がします。途方に暮れるといいますか。「はじめて」PMっていう役割をやる時にはもうちょっと気楽に考えた方が分かりやすいかな、と感じます。
プロダクト・サーバントシップ
自分が色々教わったり調べた中でとっかかりとして一番しっくりきたのは、サーバントリーダーシップの考え方でした。若干今更感はありますが。
ビジョンやゴールに向かって一緒に進むメンバーに対し、「尽くしたい」という思いを最初に抱く。 メンバーに必要なものを提供しようと努め、それによって影響力を行使して、ゴールに導いていく。
みたいなやつですね(超抄訳)
なぜこう思ったかというと。
SaaSの会社である以上、開発に限らず全メンバーが製品と切っても切り離せない存在になると思っています。ユーザーがfreeeのサービスを長くガッツリと使ってくれるためには、セールスやCSのメンバーが持ってきてくれるフィードバックはとても重要ですし、実際にfreeeを使用してくれている社内のバックオフィスチームはプロダクトの良いところも悪いところも一番率直に教えてくれる存在です。開発して終わり!ではそもそもプロダクトの価値が成りたたなくなっています。
で、結局どんな役割の人であっても何かしらの希望や好みや目的があり、「この人とチームで何かやりたい!」とお互いに思った人間が集まっているわけで(スタートアップだし)。そうなると、これがバラバラになったり喧嘩したり変な方向へ進むのが一番もったいないな、と感じます。
ピープルマネージメントの人は「チームのメンバーの意見や意欲を引き出して、一緒にビジョンを定めながら前に進めるようにしていく」という事をしているわけだけれど、プロダクトの視点でもアプローチはあまり変わらないんじゃないかと思うんです。
プロダクトマネジメントの人は「第一にユーザーの活動をより良くするために、その手段として、プロダクトに関わるメンバーの活動もより良くするために」と考えて、チームを飛び越えていろんな人が同じ方向を向いて力を出したり助け合ったりできるようにするのが、価値を出すために必要なことなんじゃないかな、と。
単にサーバントリーダーシップ、と言うと前者のヒトのマネジメントの方にイメージが寄りがちだし、PMはリーダーというよりファシリテーター兼切り込み役みたいな立場になることが多いので、振る舞いとしては「プロダクト・サーバントシップ」みたいなイメージに集約されるのかな、と考えるようになりました。
プロダクトをもっと前に進めるために、支えになれることはなんでもやるよ!みたいなスタンスです。
効能
こう考えるようになってから、
「目指す方向やビジネスの目標をちゃんと分かるように整理しないと、エンジニアも納得してプロジェクトにかける時間や仕様を深掘りしづらいよね。経営の人たちと話せないかな」とか
「アジャイルでやってるとはいえ、大まかな見積りや流動性や今後の予定がもう少しないとセールスやCSのメンバーは困るよね。ここまでは大丈夫とか、ここは難しいとか見えるようにしたい」とか
「ユーザーの声や課題は集めているけど、それをロードマップに盛り込んだり改善タスクに落とすのにもっといいやり方がないかな」とか
開発・ビジネス問わずチーム間の協働や改善に関する話がしやすくなり、自然に前述のトライアングルを埋めることができるようになってきています。もちろん、大前提として尊敬できるDev・UX・Bizのメンバーが居るからこそ真ん中に経ってサーバントすれば自然と回るようになっている!のですが、やるべきことを整理していくと自然にチームの中で足りないポイントが埋まるようになってきました。
あとはサーバント違いですが、誰も適任がいない課題については少なくとも「別にアレを倒してしまっても構わんのだろう?」みたいな台詞が結構言えるようになってきます(なんだか言わないといけない気がしてくる、ともいいます。多分倒せるかは置いといて戦うのが大事)
プロダクトマネジメント的な本や記事ではサーバントリーダーシップについて語られてる事もちょこちょこ目にしますが、なるほどこういう事だったんだな〜、と深く頷いている毎日です。
これをやり通すのに、何を身につければいいんだろう
PM個人のスキルとしては、単に圧倒的な根性と真摯さでいいんじゃないでしょうか。それ以外は些末な事のような気がしました。
お後がよろしいようで。
最後に
経験値のわりにはだいぶ偉そうなことを書きましたが、そもそも活気があって強い人がたくさんいて、フラットにフィードバックがもらえる組織にいるからこそこの考え方が機能しているわけで、周りのメンバーには感謝々々の毎日です。 ということで、こちらがお約束の採用ページへのリンクになります(もちろんPMも募集中です!)。何卒よろしくお願いします。
明日は僕のUXの師匠、アクセシビリティで一発当て太郎ことmagiさんです!お楽しみに!