エンジニアをしている廣野(@mirygoaround)です。今日はGYOMUハックというエンジニアとしてもちょっと特殊な立場にいる私の仕事についてお話します。
freeeという会社は、2012年7月に創業してから急激な勢いで成長を続けています。 そして、最初はエンジニアだけだった会社も、サポート、マーケティング、セールスとどんどんと違う役割のチームを増やしてきました。
ビジネスチームの人数が増えたとき、彼らの業務をエンジニアリングで支える役割が必要となりました。 それが、GYOMUハックという役割です。
2017/04/26にGYOMU Hackers Night vol.1〜ビジネスチームを支える立役者・業務効率UPの仕組みづくりをするGYOMUハックエンジニアのつどい〜というイベントを行います。そこで同じような仕事をしている方と交流できればと思っていますので、気になる方はぜひご参加ください!(`δωδ´)
GYOMUハックのミッション
GYOMUハックというチームのミッションは、社内の各チームが突き抜けた生産性で働ける環境をつくるために、業務の観察を通じて本質的な問題点を見つけ、適切なソリューションで解決することにあります。
具体的に、ビジネスチームの実現したいことにあわせてfreeeのプロダクトを修正したり、ビジネスチームで利用しているSalesforceというツールをカスタマイズしたりしています。
すごい勢いで成長してきた社内のビジネスチームは、たくさんのアイデアややり方を無理くりつなげて業務を回してきた面もあり、管理コストが高かったり、作業コストが高かったりします。 そんな彼らの業務を支え、改善に導くのがGYOMUハックという仕事です。
きれいな庭をつくるおしごと
GYOMUハックの仕事は、きれいな庭をつくることに似てるかなと思っています。
ゴミだらけの荒地を想像してみてください。 その荒地をきれいな庭にするためにはステップがあります。
- ゴミを取り除く
- 土を耕す
- きれいな芝を育てる
- 池やオブジェクトをおく
このステップがすごくGYOMUハックの仕事に似ていて、
- 目に見える課題・リクエストをつぶす(ゴミを取り除く)
- チームが本来の力を発揮できるように導く(土を耕す)
- もっとよくするためのHackをする(きれいな芝を育てる)
- みんながビックリするような大改善をする(池やオブジェクトをおく)
こんな感じで各チームの状況を把握しています。
1をこなすための労力は、ぶっちゃけ頭数さえあれば大したことありません。 頑張ってゴミ掃除すればいいだけです。
目に見えている課題については潰して、リクエストに関してはヒアリングをして本当にそのリクエストが妥当なのかの精査をしつつリクエストをこなします。 ここでちょっと気をつけないといけないのは、上がってくる課題やリクエストが本当のボトルネックではないことがあることです。 その辺りも見極めながらゴミ掃除をします。ゴミの分別みたいなものです。
2をこなすためには、目に見えない課題を発見する必要があります。地中に巨大な石が埋まってるかもしれないし、土に栄養がなかったり毒素があったりするかもしれません。それを見つけて一つづつ解決していくのには時間といろんな人の協力が必要です。
一度出来上がった仕組みを壊して組み立てることも辞さず、より良い仕組みを考え、新しくしていくフェーズです。 巨大な石をそのままにしておいたら、木を植えようと思っても根っこが伸びないですよね。なので土を一回掘り起こして石を取り出して、また土をきれいに戻すということをしないといけません。
3は、整った地盤で何をやるかを考える必要があります。 この頃になると、ビジネスチームはある程度戦略的に業務を回すことができてきているので、そこに+αをするのがGYOMUハックの仕事になります。今まではマイナスをゼロ、あるいはプラスに転じさせる仕事でしたが、ここからはさらになにをするか、にかかってくるのです。
各チームのミッションに沿って、彼らの武器となるべき仕組みを投入していきます。
4は完全に発想力を求められます。考えもつかなかったような大Hackが生まれるかもしれません。そのための発想力が必要です。
今までやってきたことから離れて、こういう仕組みを入れたら劇的に変わるのではないか。どうあるのが理想なのか。というふうに脳みそをフル回転させないと、庭に置くべきかっこいいオブジェクトを思いつきません。freeeの価値基準の一つである「理想ドリブン(理想から考える。現在のリソースやスキルにとらわれず挑戦しつづける。)」でGYOMUハックとしても挑戦を続けています。
実際にやっていること
効率化する、改善する、と一言で言ってもやり方は様々ですが、私はエンジニアなのでやはり開発をします。
ビジネスチームのメンバーが利用するための機能を埋め込むためにfreeeのプロダクトを修正することもありますが、私が触ることが多いのはSalesforceです。 freeeでは、プロダクトでサインアップするとSalesforceに連携する仕組みがあります。その連携周りを修正したり、Salesforceのカスタマイズそのものを行ったりしています。
Salesforceの開発はApexという独自言語で行われていますが、最近作ったものだと、セールスのメンバーがコールするための一覧をSalesforce標準のレポートから作成する機能などが結構大きめの案件でした。
その他にもfreeeを利用する税理士さんのために事業所を大量に作成する機能を作るためにRubyを触ったり、ビジネスチームが利用したいデータを取得するためにSQLを書いたりと、いろいろなことをやる日々です。
苦労する点としては、開発言語のコンテキストスイッチもそうですが、各チームでやる業務内容も全く違うので、関わる案件ごとのコンテキストスイッチもかなーり大変です。ミーティングも多くまとまった実装時間が取れなかったりもします。
しかしfreeeのミッションは「誰もが創造的な活動ができる社会」「スモールビジネスが強く、かっこよく活躍する社会」を実現すること、なので、私も「freeeのビジネスチームが創造的な活動ができる」ことを目指して日々Hackを続けています٩(๑òωó๑)۶
さいごに
エンジニアというとプロダクトの開発に携わる人をイメージするかもしれませんが、GYOMUハックのような仕事をしている人もいるんだよ、というところを少しでも知ってもらえたらなと思います。