この記事はfreee Developers Advent Calendar 2024 - Aventar 23日目のエントリーです。
こんにちは、私は freee でエンジニアリングマネージャーをやっている sentokun と申します。
この記事では、キャリアを配信する活動をしてたら、社内的に行っている組織課題への取り組みと融合した話をします。
記事中には 2 つのチームが登場します。
チーム | 概要 | 補足 |
---|---|---|
eng 波乱万丈委員会 | ゲストがこれまでに経験したキャリアについて話す配信を行い、学びを社内全体で共有するチーム | freee では、本業とは別に有志で行っている活動のことを委員会と呼んでいる |
eng サクセス | 開発チームメンバーの「成功(サクセス)」を目指し、それだけを念頭に活動を続ける専門のチーム |
本記事に関わる活動の紹介
まずは、本記事に関わるそれぞれのチームの取り組みを紹介します。
eng 波乱万丈委員会の取り組み 「キャリアの配信活動」
この委員会では、ゲストがこれまでに経験したキャリアについて話す配信を行い、それらの経験や考え方が 現在の自分をどのように形作ったか を探ります。freeeには魅力的なエンジニアがたくさん在籍しています。この活動を通して彼らのキャリアに触れることで、freeeの社員が自分の未来を思い描く助けになることを願っています。
配信ではゲストのライフラインチャートとその時の出来事をまとめてもらい、出来事ベースで話を聞く形にしています。私のライフラインチャートだとこんな形です。
昨年のAdvent Calendarでこの活動について詳しく書いた記事があります。詳細は以下のリンクからご覧いただけます。
eng サクセスの取り組み 「開発チームの役割明確化」
一方、eng サクセスチームは開発チームが活躍できるよう様々な組織的課題の解消に取り組んでいます。今回の記事に関わる話では、組織が急激に拡大・多様化することに起因したいくつかの組織的課題を抱えていました。
- マネージャーにスーパーマンを求めすぎて組織拡大に成長が追いつかない
- マネージャーやリーダーはなんでもできる人に見えるので、キャリアパスのイメージがつきにくい
- 実際は多様な能力を持ち活躍できるエンジニアが、自分にあった価値を出すための目標設定が難しくなってきた
その課題解決に共通する期待値の明示化、具体化を行えるようにするためのとっかかりに、役割と段階を明確に定義することに尽力していました。
この定義によりリード人材の多様化に対応するとともに、プロダクト開発チームに必要な能力を明確にして、組織設計や個人の目標設計・キャリアパスに活用し、エンジニアひとりひとりが成長できる強い組織づくりの土台になることを目指しています。
eng サクセスの取り組みについて当社のVPoEが話したスライドを以下に貼り付けておきます。役割定義に関しての話もしています。
Developer eXperience Day 2024のインタビュー記事 ttj.paiza.jp
取り組みの融合 「先人の経験を利用した役割の具体化」
eng サクセスが進めた役割定義ですが、開発組織内に浸透させるために色々な試行錯誤を繰り広げていました。その一つの取り組みとして、eng 波乱万丈の配信が効果を発揮していました。
eng 波乱万丈の配信では、ゲストのどのような経験や考え方が今につながっているかをみることができるため、定義した役割の具体例を共有するいい機会でした。そのため、配信のフォーマットを更新し、最初にゲストの役割やスキルを共有し具体的なイメージができるような形にしました。
以下の画像は、私のキャリアを配信用のフォーマットに当てはめたものです。
また、eng サクセスの役割定義の活用により、エンジニアのキャリアパスを表現する共通言語になることがわかりました。役割の期待値は一足飛びで満たすことができるわけではなく、段階を追った成長が必要になります。その具体例を得る手段の一つとして、 eng 波乱万丈の活動が効果を発揮しました。
このあたりの効果について当社のVPoEが freee 技術の日 2024で話したスライドを以下に貼り付けておきます。
取り組みの拡張 「プロダクト開発に関わる全ての人への展開」
開発組織の役割定義など様々な eng サクセスの活動が効果を発揮した結果、その活動をエンジニアだけでなく社内に横展開していこうという動きが出てきました。eng サクセスは ProductDevSuccess へと名称を変更し、活動の幅を広げていきました。
eng 波乱万丈も同様に、エンジニアだけでなく、プロダクトマネージャーやQAリードもゲストに呼び、お話をお聞きしてきました。今後はプロダクト開発波乱万丈に名前を変え、活動の幅を広げていく予定です。
取り組みを振り返って
今までの取り組みを振り返った感想です
- 似たようなモチベーションを持った人を巻き込めたのがよかった
元々 eng 波乱万丈がはじまったきっかけは、「開発組織への価値を信じる eng サクセスなら、キャリア共有イベントも面白がってくれるんじゃないか?」ということがきっかけでした。明確な価値が見えていたわけではない状態でも、「これは面白いんじゃないか?」と楽しみつつ同じモチベーションを持ってくれる人を巻き込んで動き出したのが良かったなと思います。
- 現場と組織の違う視点を持って活動できたのがよかった
eng サクセスと私で違う立ち位置だったのも良かった気がします。現場目線でよかったものを広げる活動と、組織レベルで戦略的に設計されたものの接点になれたのがいい点だったのかなと思います。活動も途中から定例を実施するようにし、委員会の今後の狙いについて話す機会を設けています。
- 期待値の広がりに合わせて活動する人も広がるといいなー
面白いからというモチベーションではじまった活動ですが、価値も対象組織の範囲も広がっているので委員会メンバーが増えたらいいなーとか思ってます。
最後に
最初はチームメンバーに刺さるかなと思ってはじめた共有会が、面白かったからと eng サクセスと絡んで委員会になり、続けていたら組織活動と合流する広がりを見せた話をしました。試してみなければ得られない洞察や結果があることを、改めて実感することができました。
また、こういった活動を面白がって楽しんでくれる人たちがいるからこその広がりだと思うので、ちょっとした遊び心も大事にする freee のカルチャーにも感謝しています。
明日は jason さん の記事です、お楽しみに〜