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アクティブ・ブック・ダイアローグで読書会をやってみた

にゃっはろ〜、freee会計の地獄チームで開発をしているrockです。

これはチームで アクティブ・ブック・ダイアローグ(ABD) という手法で読書会を実施した際の記録です。

2022年の6月に入社して、はや6ヶ月が経ちました。freeeではクォーターが変わるタイミングで次のOKRについてどういったものを設定するのか話すのですが、その際に「グロースハックやってみたい」と切り出したのが今回の話のきっかけです。

自分は、メトリクスとか計測しながら開発進められたらめっちゃ面白そうくらい感覚しか持っておらず、グロースハックとは何かということはあまり知らない状態でした。なのでまずはグロースハックを知るために名著と呼ばれる『Hacking Growth グロースハック完全読本』をチームみんなで読んで理解を深めることにしました。

bookplus.nikkei.com

読書会を企画する際に、チームメンバーからABDという手法が良いよ!と聞きました。調べてみるとABDには8つの魅力があり、とくに短い時間で深い気づきと創発が得られるとのことなので、これはやってみるしかないとなり今回の読書会を企画しました。

アクティブ・ブック・ダイアローグ

ABDを実践するにあたって、ABDのサイトのフォームからマニュアルがダウンロードできるので、準備や当日の進め方はそのマニュアルを参考にしました。読書会などを企画する際にどこから手をつけていいのやらとなることがあるので、こういうマニュアルがあるのは大変助かります。

freeeは8月に新オフィスに移転しており、出社したくなるようなオフィスだったということもあるので、読書会はオフラインでの実施にしました。マニュアルもオフライン前提で書いてあったので準備など進めやすかったです。

読書会にはチームメンバーから4人が参加し、今回読むHacking Growthは2部構成の全9章なので1章余りですが1人1章で2回に分けて実施することにしました。1章あたり30-40ページほどなのでまずは1回あたり2時間枠で設定して実施しました。

オフラインでABDをする際に以下のタイムスケジュールを設定しました。2回目のタイムスケジュールは、1回目をやった際に特にダイアローグの時間が少なかったことから、その枠の時間を増やし、全体的に時間調整して実施しました。

1回目(16:30-18:30)

  • オープニング(16:30-16:40)
    • チェックイン(1分*4人)
    • オリエンテーション(6分)
  • メイン(16:40-18:20)
    • サマライズ(40分)
    • リレー・プレゼン(3分*4人)
    • ダイアローグ(40分)
  • エンディング(18:20-18:30)
    • チェックアウト(1分*4人)

2回目(15:15-18:00)

  • オープニング(15:15-15:30)
    • 準備・オリエンテーション(15分)
  • メイン(15:30-17:50)
    • サマライズ(15:30-16:10, 40分)
    • 休憩・リレー・プレゼン準備(16:10-16:30, 20分)
    • リレー・プレゼン(16:30-16:40, 3分*4人)
    • ダイアローグ(16:40-17:40, 60分)
  • エンディング(17:40-18:00)
    • グロースハックの次のアクション(17:40-17:50, 10分)
    • チェックアウト(17:50-18:00, 1分*4人)

実際の読書会の流れ

新オフィスのフロアにあるキャンプ場をテーマにしたエリアに集まって読書会を実施しました。Hacking Growthの本は事前に古本を裁断して章ごとに分けた状態で読み進められるようにしました。40分間各自で読み進め、5-6枚程度の紙にサマライズしていきます。

キャンプ場エリアの全景
今回の読書会の会場

1回目の読書会では40分以内でサマライズするのが難しいというのもあり、10分程度延長することもありました。サマライズをやってみて分かったことは、担当となった箇所の全体をさっと読み進めて紙にまとめる内容の骨組みを決めてから、要点となる箇所を細かく読んでいくというやり方をした方が良さそうということでした。40分という時間内にサマライズするので、普段の感じで読書というよりは短時間集中して内容を紙と頭に叩き込んでいくという感じでした。 2回目の読書会ではサマライズのコツがわかってきたこともあり、40分以内でまとめることに慣れてきた感じがありました。

リレー・プレゼンでは、サマライズした内容を壁に張り出し、1人あたり3分間でプレゼンしてその章の内容を説明します。3分間のプレゼン後に少し時間を取り、話を聞いて気になったことやコメントを付箋に書いて壁に張り出した紙の周囲にペタペタ貼り付けていきました。

サマライズしたスライドとダイアローグの付箋たち
ABDの成果物

付箋を一通り貼り終わったらダイアローグの時間にします。付箋の内容についてみんなで対話をしてより理解を深めていきます。特にこのダイアローグの時間が今回のABDでの肝になる部分だと感じました。

実際の流れでは、マニュアルに書いてあるABDの手順から少し変えた部分もありました。例えばマニュアルでは模造紙を使うところを、模造紙よりも付箋で意見を書いていってサマライズした紙の周囲に貼っていった方が今回の場合はやりやすかったため、付箋のみでダイアローグをすることにしました。

キャンプ場というひらけた場所でやっていたこともあって、リレー・プレゼンやダイアローグで話し合いをしているときに、読書会に参加していなかったメンバーも飛び入りで参加して一緒に議論をすることができました。

読書会で得たもの

Hacking Growthからグロースハックについての基礎的な理論から具体的な実践方法を学び、そしてABDのダイアローグの時間でfreeeでグロースハックを実現するにはどうすれば良いかを話し合うことでより私たちの状況に照らし合わせた理解を得ることができました。

ABDを行うことで短時間に知識を得て、かつチームで議論を重ねてさらに深い理解を得ることができたように感じます。また機会があればABDでの読書会に挑戦してみたいと思います。

読書会の集合写真
読書会の集合写真