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rspecを音ゲーにした時の記憶がRubyKaigiで呼び起こされた話

はじめに

2024年2月に入社した新規プロダクト開発本部のソフトウェアエンジニアの塩出 @solt9029 です。技術領域としては、主にバックエンド(Ruby on Rails)とフロントエンド(React)を用いて開発しています。

先日、2024年5月15〜17日に沖縄で開催されたRubyKaigi 2024に参加してきました。私はRuby歴4年程度なのですが、RubyKaigiは今年が初参加でした。また、国際テックカンファレンスの参加も初めてだったので、とても貴重な体験で楽しかったです。本記事では、RubyKaigi初参加の感想を述べます。

RubyKaigi 2024の会場エントランス
RubyKaigi 2024の会場エントランス

初参加の感想

私は、普段の業務ではfreeeサインおよびfreee人事労務というプロダクトの開発をしています。プロダクト開発では、設計面やパフォーマンス面など日々様々な課題に挑戦していますが、Ruby on Railsを活用した一般的なWebアプリケーション開発が私の日常の大部分です。そのため、Rubyの内部実装がどうなっているのか、コアライブラリがどのような設計思想を持っているのか、などを考える機会は普段ほとんどありません。

RubyKaigiへの参加は、まさに普段あまり触れることのないRubyの深層や周辺ツール、それらの仕組みなどを知る良い機会になりました。例えばRactorやYJITなど、聞いたことはあり概要も把握していたものの、具体的にそれがどのような場面で使われていて、現在どのような課題に直面しており、どのような解決策が考えられているのか、などの最新情報を得ることで視野を広げることができました。他にも、普段のRubyによる開発体験を大きく支えているirbの課題や今後の展望など、私がプロダクト開発者という名のユーザとして触れているツールの内部実装や状況を知るきっかけになりました。

話は少し変わりますが、私は以前、趣味の開発でrspecを音ゲー風に実行するシステムを作りました。この作品はとても雑に作ったため、rspecの一部をmodule_evalするような形で実装されています。しかし、そんな雑な作りでも、rspecの内部実装の概観を把握する必要があり、当時は関連コードを読み漁りました。「普段毎日のように使っているrspecはこんな内部実装になっているんだ!」と当時は感動の連続でした。私は、OSSに対するコントリビューションを行った経験は少ないですが、rspecを音ゲーにするという異質な側面から、内部実装を理解するきっかけが生まれました。

RubyKaigi 2024の初日Keynote「Writing Weird Code」はとても印象的でしたが、世の中にはWeird Code(奇妙なコード)を通じてプログラミング言語やコアライブラリの内部実装を理解する方もいます。また、業務や趣味の開発中に遭遇したバグをきっかけに、ライブラリの内部実装を読み、コントリビューションまで行う方もいます。日頃からコミッターとしてプログラミング言語の開発に取り組んでおり、内部実装を理解し続け、作り続けている方もいます。

OSSに対して興味を持つきっかけや関わり方は、本当に人それぞれです。様々なきっかけから、多様な人が内部実装を読むことができ、コントリビューションすることもでき、それらをきっかけにコミュニティさえ生まれるOSSという存在は改めて素晴らしいと感じました。そして、「シンプルさと高い生産性」を備え、目指し続けるRubyのことが、RubyKaigiへの初参加を通じて改めて好きになりました。

さいごに

今回のRubyKaigi 2024では、弊社から10名のエンジニアが参加しました。私は今年2月に入社したこともあり、ブース設営をきっかけに、まだ関わったことのない方々とコミュニケーションする貴重なきっかけになりました。また、私は東京(大崎)拠点で業務を行っているのですが、弊社には沖縄にも拠点があり、普段沖縄で開発しているエンジニアの方々に直接会うきっかけとなりとても良かったです。

弊社のRubyKaigi 2024参加メンバーの集合写真
弊社のRubyKaigi 2024参加メンバーの集合写真

また、RubyKaigi 2024の発表内容はもちろん、会場デザインやAfternoon Snack、After Party、各スポンサー企業のブース展示、ノベルティなどどれもとてつもなく豪華で驚きばかりでした。3日間、とても快適に、とても楽しく過ごすことができました。RubyKaigi 2024の運営スタッフやスポンサーの方々、その他関わってくださった皆様、改めまして本当にありがとうございました。

公式ノベルティとして配布されたビーチサンダル
公式ノベルティとして配布されたビーチサンダル

最後に、弊社では今回のRubyKaigi 2024の開催地だった沖縄の拠点も含め、積極的にエンジニアを募集しています。カジュアル面談も大歓迎です。ご興味のある方は、ぜひ弊社の採用情報をご覧ください。

jobs.freee.co.jp