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Webアプリエンジニアの開発経験をQAエンジニアに活かす

こんにちは。freee人事労務でQAエンジニアをしているpatuです。
この記事は freee QA Advent Calendar2023 18日目の記事です。

私は2021年7月freeeにWebアプリエンジニアとして入社し、2年間freee人事労務の機能開発に携わりました。
freee入社前に12年間Webアプリエンジニアをやっていたため、トータル14年ほどWebアプリの開発をやっていたことになります。
その後2023年7月に社内異動でQAエンジニアとなり4ヶ月ほど経ちました。

この記事では、WebアプリエンジニアからQAエンジニアに異動してみて開発経験が活かせた話を書きます。

コードを書かない仕事に

これまでの経験を活かすことで日々の開発は進められる状況でしたが、自分のスキルが伸びていない実感がありました。
これから先もエンジニアとしてのキャリアを続けようと思った時、このまま開発に携わっても現在から大して変わり映えしない自分がいる。そんな漠然としたモヤモヤを感じることが増えました。
そこで、コードを書かない仕事をしてみるとどうなるんだろうか?と思い社内異動することにしました。
freeeには異動戦国*1と呼ばれる社内異動制度があり、異なるチームや異なる職種へカジュアルにチャレンジできる環境があります。

そんな経緯なので、QAエンジニアになりたかった!というより自身の経験が活かせそうな職種の中でたまたまQAエンジニアに縁があった、ぐらいの温度感であることを白状しておきます。

いきなり職種を変えてなんとかなるの?

異動しようと思った時、真っ先に頭に浮かんだ不安がこれでした。
日々の開発でテストはしますが、QAエンジニアに対する理解や体系的なテスト技法を知っているわけではないため、果たして仕事できるんだろうか...と悩んだ記憶があります。
しかしこの悩みは杞憂でした。
まず、freeeではQAエンジニアのオンボーディングが充実しており、途方に暮れることはありません。
また、QAエンジニアの仕事ではこれまでの開発経験が活かせる場面が多いことに気づきました。

QAエンジニアのオンボーディングについてはtomiさんの記事をご参照ください。 developers.freee.co.jp

開発経験をQAエンジニアで活かす

開発経験が活きる場面の一つにテスト分析があります。
これは具体的なテストケースを作る前にどのようなテストが必要か、重点的にテストすべきケースは何か、といったことを分析する工程です。
開発経験がないQAエンジニアの場合、多くはブラックボックスなアプローチでテスト分析をすることになるかと思います。
一方で、開発経験があればグレーボックス*2のアプローチでテスト分析することが可能です。

より具体的には、データモデルに着目できることが強みになるのではないかと考えています。

あるサービスのテスト分析をするケースを考えてみます。
ブラックボックスなアプローチでテスト分析を行う場合、画面やボタンなどを起点にどのようなテストをするか分析していくでしょう。
その過程で状態遷移や境界値を意識する必要に気づくかもしれません。

画面に表示される内容やボタンによって状態の有無や操作結果がどう反映されるか、エラーケースは何が考えられるかを分析していくイメージ
ブラックボックスでテスト分析するイメージ

一方グレーボックスなアプローチで考える場合、内部構造に着目します。
例えばQA対象の内部にはデータA 、Bが存在するとします。
状態を持つ場合、そのための属性が存在することがわかりますし、状態の取りうる値や遷移トリガーを内部視点で把握することができます。
また、データのライフサイクルに着目することでデータが存在しないケースや更新される場合にidが変わることがあるか、といった視点でデータの参照箇所に対する必要なテスト方法を分析することができます。

データA、Bがどのような属性を持つか。ライフサイクルはどうなっているか。状態として取りうる値は何でどの操作によって状態遷移するか。といった視点での分析が可能になる
グレーボックスなアプローチのイメージ

最終的に、両者のアプローチによって設計されるテストケースは似たような物になるかもしれません。
しかし、QAエンジニア経験が浅いWebアプリエンジニアでも、QAエンジニアとは異なるアプローチで同等のアウトプットが出せるという点に価値があると考えています。

おわりに

今回ご紹介した例の他にも、開発経験をQAエンジニアとして活かせる場面はまだまだあります。
他のエンジニアと「設計実装の観点でコミュニケーションできるQAエンジニア」というだけでも一定の価値があったりします。
この記事が私と同じく将来のキャリアに対して悩みを持つ方の何かの参考になれば幸いです。

明日は、Ronaさんの記事です!お楽しみに!

それでは、よい品質を〜