はじめに
こんにちは!
freeeアドベントカレンダー2023の13日目の記事を書きます、金融開発カード事業部Engの田畑です。
現在、私はfreeeカードの開発運用に携わっております。
この10/1に入社をさせて頂いたので、入社直後の今でないと書けないようなことを書いてみようと思います。
私がfreeeに入社するまでを振り返ると様々な規模の会社に所属していました。その規模の違いを一つの切り口にして、その中で感じたことを今回書きました。
分かりやすく規模の違いをタイトルにはしていますが、組織の規模が同じぐらいであったとしてもその会社や組織の歴史が違うので一口にそれが組織規模の違いだと言い切ることは出来ないです。
あくまで一つの切り口である点はご了承下さい。
ターゲット、想定読者
- メガベンチャーから独立や創業期のベンチャーにキャリアを変えようと思っている人
- キャリアがまだ浅く、ベンチャーやメガベンチャーの規模感でどのような違いがあるのかをリアルに知りたい人
という方々に向けてこの記事を書こうと思います。
前職について
前提として私自身が前職どのようなことをしていたのかを書こうと思います。
前職は創業約1年のタイミングでジョインをして、3年半在籍をしている中で人数の変動は多少はありましたが、在籍時を通じて10人前後という人数規模でした。 在籍中、細かいプロジェクトは複数ありましたが、大きくは2つのプロジェクトに関わらせて頂きました。 プロジェクトにはよりましたが、今思うと前職では多くの役割(プロダクトマネージャー(以下PdM)、Eng、QA、CSやインフラ)を担っていました。
現職では、PdM、Eng、QA、CSやインフラの担当にあたる人がいて、その中で今はEngを担当をしています。
前職でそのような経験を経て、10/1付けでfreeeにジョインさせて頂きました。
今のfreeeの規模感
今のfreeeの規模感としては、全体として約1500人1、エンジニアとして数百人程度です。 今も物凄いスピードで成長している組織なので、これぐらいのイメージだと思ってもらえたらと思います。
最初の2ヶ月で感じたこと
2ヶ月の中で色々感じたことは沢山ありますが、その中で4つをピックアップして書いてみました。
今回、前職ベンチャーと現職メガベンチャーを比較した上でどのように感じたかを書いていこうと思います。
「10人寄れば文殊の知恵」から、「1500人寄れば文殊の知恵」へ
ベンチャー規模だと、完全な詳細までとなると少し厳しい部分もありますが、基本的にBizDev含めて経緯や流れから全て把握することが出来ることが多いです。 立場やフェーズによっては詳細まで把握することが可能なために、全てを把握することが求められる環境も多いでしょう。
一通りの流れを知って、全てに自分が関わるという観点でとても成長出来る環境なのだと思います。
しかし、メガベンチャー規模になると、もちろんそれぞれの詳細を把握するのは不可能です。 そもそもベンチャー規模と比較して、メガベンチャー規模だとそれぞれの担当、役割が分かれているので全てを詳細まで把握する必要性がありません。
最初、1500人寄れば文殊の知恵ではなく、1500人からの情報の洪水が来ているみたいに思えました。 しかも、今までの歴史の中でマジ価値を前提に考え抜かれた考えや情報が高水準で集まっています。
メガベンチャーの環境において、その高純度な情報をうまく取捨選択して理解している情報を広げていくと凄く成長出来る環境なんだと思います。
規模感によって、全てを詳細まで理解すべきなのかどうなのかについて差異が出る部分の一つなのだと感じています。
「全体的に把握」から、「部分的に把握」へ
ベンチャーでプロジェクトのスタートから関わっていると、最初は規模が小さく歴史から全て含めて把握出来ているという状況になります。 そのために、何かバグを解消するのでもコード箇所を特定するのにさしたる時間は掛からないですし、修正もその場でしてしまってリリースまで全部行うことが出来るという環境です。
しかし、メガベンチャーの規模、プロダクト数、歴史を踏まえるとそうはなりません。
メガベンチャー規模で全てのプロダクトのことを理解することはできません。 仮に、今までのプロダクトを把握出来たとしても、平行して新しいプロダクトが開発されているのでそれらも含めて理解することは出来ないでしょう。実際把握する必要もありません。
それが故に、プロダクトやチームごとにパラレルにプロジェクトや開発を進めることができ、組織全体として見たときにマジ価値をスピード感持って市場に供給することが出来ているのだと感じます。
このベンチャーとメガベンチャーの違いを把握して、自分が何をどの程度把握出来ているのか、次に何をどれぐらい把握すべきかを明らかにすることが重要だと感じています。
「仕事を全部自分が拾う」から、「仕事を適切に自分が拾う」へ
前職ベンチャーでは、仕事の担当が決まっていないものに対して、基本的に自分が拾うことが多いという環境でした。 ベンチャーでは、役割やロールが明確に分かれていることが少なく、そのように誰か気づいた人が拾うということもよくあるのではないでしょうか。
しかし、メガベンチャーの規模感だとその役割やロールが分かれているので、仕事の担当が決まっていないものがあったとしても、基本的にその役割やロールの担当が拾うことになります。
明確にPdM、Eng、QA、CSやインフラの担当の方々がいて、それぞれがその仕事を行います。 とは言え、全ての仕事が何も落ちないということは無いので、拾うことは必要にはなってきます。
ベンチャーとメガベンチャーで役割やロールが明確に分かれてることによって、仕事の担当が決まっていないものがあったとき、どのようにするのかについてはあまり違いがないと感じています。
ただメガベンチャーであれば、それぞれの役割や専門ロールに分かれているからこそ、例えば私のEngのロールであれば、設計や開発に集中出来るという良さがあると感じています。
「大きな裁量」から、「小さな裁量」へ?
ベンチャーだと自由であったり、組織が大きく自分のやりたいことが出来たりすると言われることがあるかと思っています。(少なくとも、私はそういうことを思っていた時期がありました。)
制限なく自由に事業が出来ることは、自分が経営者であり、自己資産で完全にプロジェクトを回している状態でのみYesだと思っています。
投資家、起業家、つまりお金を出している人、ステークホルダーが自分以外に存在している以上完全に自分の自由なことはできません。 自由度の違いは多少はあるとは思いますが、自分がお金を全て出していない以上自由度が少なくなってしまうのは仕方のないことだと思います。 極論、複数人で集まって何かをする時点で個人の自由はもうないのかもしれません。
仮に、自分が経営者であり、自己資産で完全にプロジェクトを回している状態が作り出せたのならば、完全に自由な事業が行えるのかもしれません。
ただ、全ての自由な裁量ではないと思いますが、その所属している組織において一定の自由な裁量が与えられていると思います。 裁量の大小ではなく、今その与えられた裁量の中で、自分の理想像を実現出来るのかどうかを考えることが必要なのだと考えさせられました。
まとめ
今回、ベンチャーとメガベンチャーを比較した上でどのように感じたかを書かせて頂きました。
この記事を書きながら改めて自分の振り返りをすると、ベンチャーからメガベンチャーへの転職を行い、「全部把握できていた状態から、全てを把握できなくなった状態」へと変わったんだな、ということが分かりました。
今回は人数規模という一つの切り口で記事を書かせて頂きましたが、他の観点として、
- 歴史(会社やプロジェクトが始まってからの時間)
- 理念の浸透や共感度合い、カルチャー
など、色々な観点があると思います。
いきなり、この規模感の違いから全てを把握するのは難しいと思うので改めて目の前のことを一つずつ取り組んでいくとまた見える世界が広がるのだろうなと思いました。
最後にもう一つ、私は規模の大小どちらがいい、ということはないと思っています。
私は、自分が挑戦してみたい、自分の力が発揮出来るのではと思ったときに、その人生のフェーズ、タイミング、縁があった会社、組織、プロジェクトに参画させて頂きました。 その経験を経て、どのような組織にいたとしてもそれぞれの魅力や特徴があり、それぞれで培ってきたことが自分の糧になっている、ということを実感しています。
私が携わってきた組織を踏まえてどのように感じたのかざっくばらんに書かせて頂きました。 ここまで読んで頂いた方の何か今後の考え方のサンプルの一つになっていたら幸いです。
拙い文章でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
また明日のアドベントカレンダーをお楽しみに!
- 正社員だけではなく freee に所属するすべての従業員の数↩