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freee API のDevRel というお仕事

自己紹介

これは 「freee Developers Advent Calendar 2019」兼 「DevRel Advent Calendar 2019」 の、9日目の記事です。

2019年8月にfreeeにJOINした、ニックと言います。

12/9は id:teppei-studio さんの予定でしたが、諸事情により代打として登場しました。どうぞよろしくお願いします。

(id:teppei-tosa は、12/20に登場予定です)

現在、freeeで担当している業務「DevRel = ディベロッパーリレーション」について、ご紹介します。

DevRelとは

DevRel は、2010年代後半から使われ始めた言葉で、ITの世界でも比較的新しい職種です。

DevRel の仕事を簡単に説明すると

「外部の開発者との相互コミュニケーションを通じて、自社や自社製品と開発者との継続的かつ良好な関係性を築くためのマーケティング手法」(引用元:https://devrel.jp/about/)

となります。「自社のサービス・プロダクトを開発者に紹介し、広く理解し、使ってもらう」ためのロールとも言えます。

とは言っても、地道にユーザーや関係者に情報を開示し、複雑な技術情報を出来るだけわかりやすい言葉に書き直したり、あちこち歩き回ってサービスのデモを行ったり、と、地味な仕事をコツコツと積み重ねることがメインの仕事だったりします。

前職で行ってきたこと、freeeで行う予定のこと

freeeに入る前にやってきたこと、freeeで現在・これから行うことを、それぞれまとめてみました。

前職で行ってきたこと:

  • ユーザーコミュニティの立ち上げと活動支援
  • 技術ドキュメント・リファレンス資料の作成
  • サンプルコード・サンプルアプリの開発
  • 社内外のデモ環境の構築
  • ハンズオンやセミナーの講師
  • メールマガジンの作成・配信
  • 技術情報の日英翻訳、公開
  • セールスエンジニアとして営業に同行し、クライアントのシステム・サーバー調査、改善提案

freeeで行う予定のこと:

現時点で見えている仕事は以下のようなものです。

  • ユーザーコミュニティの立ち上げと活動支援
  • 開発者向けサイトのメンテナンス、ドキュメント・ニュース情報の反映
  • 開発者向けイベントの企画・開催
  • 円滑に仕様変更を行うための社内外の調整
  • そのほか、freee API を利用する技術者のための各種支援

入社してからまだ半年足らずですが、やるべきことはたくさんあり、日々勉強しながら業務に従事しています。

前職と現職の違い

前職と現職の仕事を比較して、大きく以下の2点の違いを感じています。

  1. 所属組織による職掌の違い
  2. 取り扱うデータの質の違い

最初に、所属組織の違いについて。

前職のロールは、営業部門に連なる所属でした。このため、日々の行動は営業戦略を考慮したものが多く、実際にユーザーの現場に近い位置でDevRelの活動を行っていました。

freeeでは、APIプラットフォーム部と言う部署に配属になっていますが、マーケティング的な戦略に基づき実行する施策が多めです。前職とは違う視点から考える施策が多く、気づきが多いです。

次に、取り扱うデータの質の違いについて。

前職と現職では

「管理しているデータは公開データか、秘匿性の高いデータか」

という違いがあります。

前職では、Web CMSのパッケージソフト・SaaSサービスやブログシステムのDevRelを担当していました。WebCMS・ブログサービスは、どちらかというと「公開するためのデータ」を管理するためのシステムでした。REST API経由で取れるデータは、認証を行わなくても取れるものがあり、APIの活用は「公開されるデータをどのように効果的に利用するか」という発想が多かったように思います。

一方、freeeでは、「秘匿性の高いデータ」を扱っています。会計freeeや人事労務freeeが管理する会計情報や人事情報は、外部に公開してはいけない、トップシークレットの情報です。このため、よりセキュアに、より安全にAPIを使うためにはどうすれば良いか、という視点から発想を求められます。

自分はどちらかというと、オープンデータを前提としたAPIを触る機会が多かったので、この違いはとても大きく感じられます。

コミュニティパワーとDevRel

ここで、DevRel に対する「思い」のような、エモい話を少し。

DevRel の大きな仕事の一つに「開発者と相互にコミュニケーションを行い、良好な関係を築く」ことがあります。別な言葉で言うと「自社サービスに健全なコミュニティを作る」と言い換えることができるかもしれません。

自分は「コミュニティ」に対して、大きな可能性を感じている一人です。

インターネットに関わる技術者は、多かれ少なかれ、何らかのオープンソース技術と関わっているのではないでしょうか。

自分もその一人でした。2006年ごろから2011年にかけて、オープンソースCMSのコミュニティで色々と活動を行い、その体験に大きな影響を受けています。

性善説だけではうまく進まないことも多いですが、利害や意思を共有し、一緒に「場」を作り、活動していくことは、とてもクリエイティブな作業です。

freeeでも、そんなコミュニティを作っていきたいと考えています。

再現性への挑戦

もう一つ、個人的にfreeeで挑戦したいことがあります。それは、「DevRelと言うロールの再現性を検証してみたい」と言うことです。

前職で実行していた施策や知識は再現性があるのか、同様の手法でプロダクトやサービスにエコシステムを作ることはできるのか

それが、freeeに入社するきっかけになったテーマの一つです。

技術の現場では、「再現性」はとても重要です。

これまで所属していた組織とは異なる企業、異なる事業ドメインで、人と人とのリレーションを作っていく「DevRel」の施策を再現することができるのか。

うまくいく保証もなく、不安は尽きないですが、挑戦してみたいと考えています。

宣伝

本文は以上となりますが、最後に2つ宣伝を。

1: 自分が担当しているfreee API のイベント「Biz Tech Frontier 2020」が、2020年2月5日(水)に、東京・渋谷で開催されます。

https://www.freee.co.jp/event/BizTechFrontier2020/

詳細情報は続々公開予定です。無料のイベントですが「この内容なら、お金を払っても行きたい」と思うような、魅力的な皆様にご登壇いただく予定です。ぜひご参加ください!

2:DevRel担当者のためのカンファレンス「DevRelCon Tokyo 2020」が、2020年2月29日(土)、東京・紀尾井町のYahoo! Japan様で開催です。

https://tokyo-2020.devrel.net/

このカンファレンスは、全て英語で開催されます。東京にいながら、海外のカンファレンスの雰囲気を体験できる、貴重なイベントです。

自分はボランティアスタッフとして参加。 @taiponrock こと、IBM Developer Advocate の 萩野たいじさんと、司会を担当する予定です。こちらもご参加お待ちしています!