この記事は freee Developers Advent Calendar 2023 22日目です。
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freee申告の開発チームの1つでマネージャーをしている nippori です! 僕は今年(2023年)の1月から現在のチームのマネージャーを勤めていて、来月でちょうど1年が経とうとしているので、時系列で振り返ってみようと思います。
2021年4月
新卒でfreeeに入社しました。
2022年11月
freee には「異動戦国」という制度があり、年に1回希望するチームに異動の立候補ができます。 この異動戦国への立候補は基本的に任意ですが、freee に新卒で入社し3年目になる人は必須参加となります。
そのため、2021年4月入社の僕は、この時期の異動戦国で異動対象になっていました。 実際の異動は2023年7月ですが、立候補者を募るアナウンスは、調整や引き継ぎなどがあるため、半年以上前のこの時期、2022年11月に行われました。 異動戦国の時期になると、様々なチームがアピール合戦をしたり、新卒同士で集まって情報交換会を開いたりと、情報が行き交っていました。
そんな中、当時のマネージャーとの 1on1 で「nipporiさん、うちのチームのマネージャーやってみない?」という話が出ました。
2022年12月
「マネージャーやってみない?」と言われたものの、その時は即答せず、ちょっと考えておきますね、ぐらいのテンションで回答しました。 これは後から聞いた話も入っていますが、マネージャーとして推薦した理由としては以下のようなものがあったそうです。
- チームでマネージャーになれそうな人が少ない状況だった
- この代の異動戦国からチームの異動だけではなく、ロールの変更(エンジニアからマネージャー等)も対象となった
- 自分の担当範囲しか見れていないという弱みがあったが、マネージャーになることでチーム全体が見れるようになりそう
- チームにミドル・シニアのメンバーがいるので、サポートもできる
この辺りの情報を踏まえつつ、その後の2週間で、同じチームのマネージャー経験者や、新卒から同じようにマネージャーになった人、年齢の近いマネージャーの人と3人ほど 1on1 を入れて、あれこれと話を聞きました。
自分のキャリアに対する考え方として、自分は技術力が飛び抜けて高いわけではなく技術指向が強いわけではなかったので、技術だけではない何かを強みとして身につけたいという思いがありました。それは別にマネージャーでなければならないというわけではなく、もともとデザインが好きだったので多分何もなければデザインエンジニアのようなキャリアを選んでいたと思います。実際、異動戦国でデザイン組織に異動することも少し考えていました。
ただ、色々と話を聞く中で、「マネージャーも悪くないな」と思えることがいくつかありました。例えば、チーム全体に対する責務がより大きくなるので、影響が大きい決定の舵を取りやすくなりますし、プロダクト全体に目を向ける機会やPdM や PD(プロダクトデザイナー)との関わりも増えます。そういう機会が増えていくことで、よりプロダクトについて広く深い知識が身につけられ、もともと目指していた「技術だけではない何か」を身につけやすい環境になるのではないかと思いました。
そして、20代の中盤でマネージャーをやってみて、もし向いてなかったら1、2年でやめて元の道に戻るのも全然ありだし、自分の考えになかったキャリアに挑戦をしてみるなら今のうちかと思い「やろう」という意思を固めました。
というわけで、2022年12月中旬ごろに「やります」と自身のマネージャーに伝えたのは良かったのですが、本来7月からだったはずの異動がグループジョインに伴うチームの統合や、マネージャーの育休など諸々の事情が重なり「来月(1月)からで!」となりました。
いや、急すぎるでしょ。
2023年1月–3月
そんなこんなで年明け早々からマネージャーになってしまいました。メンバーはもともと freee にいた人と、新しくグループジョインできた人で合わせて数人規模のチームです。 最初はそれはもう大変でした。グループジョインの人たちに関してはある種、中途転職が2名同時にチーム配属となるようなものなので、チームや freee 自体に慣れてもらうところから始まります。
特に、マネージャーなりたての頃は、いきなり大きな変化をチーム全体に与えることは影響が計り知れなかったので、プレイヤーだった期間で気になっていたちょっとしたことから改善を試みました。 例えば、チーム全体がより高い生産性を維持できるように、ミーティングの時間を効率よくしたり、Slack や Jira のチケット上で細かな自動化を設定することで、ちょっとでもチーム全体が作業に集中できる環境を作ることを目指しました。
それ以外でも、マネージャーになるとやらなきゃいけない細かな調整が増え、最初は自分の作業がビックリするぐらいできませんでした。 具体的に、自分の出したプルリクエストの件数で言うと、マネージャーになる前の四半期では43件、なった後は27件でした。
マネージャーになって最初の3ヶ月は、とにかく目の前のことを淡々とこなしていくだけで、ただただ時間が過ぎていきました。
2023年4月–6月
3ヶ月マネージャーをやり、慣れたつもりでやれることは全てやっていると思ってましたが、まだまだなことが多くありました。 一番難しかったのは、グループジョインで新しく入ってきたメンバーをスムーズに freee の開発に入れるようにすることです。 freee 申告はグループジョインのメンバーと元から freee にいたメンバーがチーム単位で合併し、ひとつのチームとして開発をし始めた最初のプロダクトです。 そのため、グループジョイン後の共同開発に対する知見がまだ社内になく、誰もが手探りの状態でした。 今振り返ってみても、決してうまく回せてた!とは言えない状態でしたし、この頃は難しい時期でした。
一方、この経験を踏まえて得られたものは大きく、今では新しいメンバーが入ってきた時のオンボーディングの進め方を見直したり、エンジニアのことではないですが、PdM とドメインエキスパートと言う役割が分裂したりと、本当に大きな知見が得られた時期でもありました。 グループジョイン後のチーム統合だけでもひと記事かけてしまうぐらいなので、ここでの振り返りはこの程度で。
2023年7月–9月
この時期は私のチームが担当していたプロジェクトのリリースが多くありました。 リリース前ともなれば、リリースに向けて PdM とあれやこれや細かい調整が あったり、QA とリリース内容をどこまで直してどこを見送るかといった相談をしたりと、とにかくマネージャーとして決断することが多い期間でした。 また、チームメンバーの異動などもあり、チームがあまり安定していない時期でもありました。
そんな不安定な時期に、チームとしてあれこれ決断をするのはどうしても大変で、チームの中でバチバチすることもありましたが、結果的には 中間申告 のように規模の大きな機能もリリースすることができました。 リソースが限られた中で優先すべきことや、プロダクトの今後のロードマップを真剣に考えられるようになったのはこの時期からかもしれません。
ちなみに、完全に余談ですが、僕は私生活で優柔不断すぎて、自分が着る服も決められないので、私服は同じものを複数枚買ってずっと同じ服を着ています。
2023年10月–12月
10月になると、チームに中途入社の新しいメンバーが加わりました。
ここでは、以前のグループジョインの経験を生かして、オンボーディングの進め方を変えてみました。 もともとは、入ってからの1ヶ月間で、小さなバグ修正や簡単めのタスクでコードや開発に慣れてもらい、1ヶ月したらチームのスプリントに混ざってガッツリ開発開始という流れでした。
しかし、税務申告のドメインが難しいことや、コードベースがどんどん大きくなって理解が難しくなっていることを踏まえて、この時期からは、ジョイン後すぐひとつのプロジェクトに専念してもらい、担当プロジェクトの設計から実装までやり切ってもらうという進め方に変えてみました。 必要なドメインや触るコードの箇所を広げ過ぎずに、ひとつの知識に絞って集中的に開発の工程全てを学んでもらうという意図を込めたものです。
このやり方で今のところうまく進んでいて、順調にチームに馴染んできてもらっています。
そして1年がたって
この12月でマネージャーになって1年を迎えました。
正直、マネージャーになって良かったかどうかもわからないし、自分が上手にチームを成長させていけてるとも思ってないし、これからも試行錯誤はずっと続いていくと思ってます。
ただ、1年やってみて、自分はその試行錯誤が嫌いではないと感じています。
自分は街づくりゲームとかシミュレーションゲームとかが好きで、環境がどんどん成長していくことに楽しさを感じます。 関係があるかはわかりませんが、そのようなゲームをやる感覚にマネージャーの仕事は近いのかもしれません。
チーム全体としてのアウトプットを最大化できるように、チームのメンバー同士が高め合える環境をこれからも作っていきたいと思います。
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明日は kouhei さんのBundleのフロントエンドの話になります!