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freeeアクセシビリティー・ガイドラインVer. 202311.1を公開しました

こんにちは、freeeのアクセシビリティーおじさんの中根です。

最近は生成AIに画像を解析させて説明させるのがちょっとした楽しみになっています。

さて、今回もfreeeアクセシビリティー・ガイドラインの更新情報をお届けします。

以下、Ver. 202307.0の更新情報をこちらに投稿してから後の変更について、特に大きな②項目を紹介します。

各ガイドライン項目の「優先度」の廃止

各ガイドライン項目には、当初[MUST]または[SHOULD]のいずれかの優先度を設定していました。しかし、以下のような理由で、この優先度をVer. 202309.1で廃止しました。

以下、freeeアクセシビリティー・ガイドラインについてから引用:

  • 1つのガイドライン項目に対して、重篤度が異なる複数のチェック内容が示されている場合があり、ガイドライン項目の優先度とチェック内容の重篤度の関係が分かりづらい。
  • 例えば優先度が[MUST]のガイドライン項目に示されているチェック内容の重篤度が[MINOR]の場合など、ガイドライン項目の優先度とチェック内容の重篤度の関係が分かりづらい。
  • 1つのガイドライン項目がWCAGのレベルが異なる複数の達成基準と関連付けられている場合があり、ガイドライン項目の優先度とWCAGの達成基準のレベルの関係が分かりづらい。
  • freee社内の運用の実態を見ると、ガイドライン項目よりもより具体的な状況について示しているチェック内容が参照されることが圧倒的に多く、結果としてチェック内容の重篤度がガイドライン項目の優先度よりも参考にされることが多い。

上記のリンク先にも記述がありますが、優先度を廃止したとはいっても、各ガイドライン項目はWCAGの各達成基準の内容やそのレベルに基づいて検討されていて、WCAGとの互換性が保たれるようになっているという点に変わりはありません。

macOS VoiceOverに関する情報を追加

freeeでは、スクリーン・リーダーに関するアクセシビリティー・チェックに当たって、Windows上のGoogle ChromeとNVDAの組み合わせを標準環境としています。 これは、日本国内の全盲の視覚障害者においては、WindowsのユーザーがmacOSのユーザーより圧倒的に多い 1 ということなどを考慮してのものです。

一方、freeeに限らずWeb開発の現場には、Macユーザーが少なからずいます。 当然、MacユーザーにとってNVDAでチェックを実施するのは、それだけで時間も労力もかかることです。

アクセシビリティーに関するものに限らず、様々な問題は早めに見つけて解消する方がなにかと効率的です。 ですから、NVDAによるチェックが難しいという理由で開発中のチェックの頻度が低くなってしまうのは、決して望ましい状況ではありません。

そこで、macOS VoiceOverで実施できるチェックについては、具体的なチェック手順を追加しました。

また、これまでmacOS VoiceOverを使ったことがない人や、これまで何となく使っていた人に向けて、推奨設定や基本的な使い方などをまとめたページも追加しました。

上記のページで、どのような場合にはmacOS VoiceOverでチェックを実施しても問題がないのかというような点も示していますので、確認してみてください。

引き続きご意見などお待ちしています

今回紹介したもの以外にも、いくつか変更がありますので、詳しくはガイドラインの更新情報をご覧ください。

そして、今回の変更についても、それ以外の部分についても、ご意見やお気付きの点など、GitHubリポジトリーのIssuesやPull Requestsでお知らせください。