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サポートチームのVoice Of Customerの取組み

こんにちは!feeeeのユーザーサポートチームの浅井雅美(miyabii/みやびー)です。 この記事はfreee Developers Advent Calendarの6日目です。

私は、ユーザーの課題の最速解決を目指すチーム Fastest Customer Support (FCS)で、サポート担当者(エージェント)のエンゲージメントを担当しています。サポートはお客様にとってはfreeeとの接点の一つですから、エージェントの対応は顧客のfreee体験の一部になります。充実した心という下支えがあってこそ、サポート時により良い顧客体験(カスタマー・エクスペリエンス)を提供できるものです。そのため、エージェント全員がfreeeの事業の一部を担っている重要な存在であるとの自負を持てるような経験価値(エンプロイー・エクスペリエンス)の向上に取り組んでいます。

今日は、サポートエージェント対応とプロダクトフィードバック活動との関係性をどのように発展させていこうとしているかをご紹介します。

Voice Of Customer とは?

Voice Of Customer (VOC) とはユーザーの声を意味しています。具体的には、感謝や賞賛だけではなく、要望・不満・批判という形のユーザーのニーズの表明もお客様の声です。さらに、満足も不満も含めたその声に向かい合うこと、その声を聴き取る心や仕組みを備えること、そして、その声を元にプロダクトとサービスをさらに良い方向へと発展させていく活動自体をVOCと言います。その意味で、プロダクトフィードバックはひとつの重要なVOC活動と言えます。

VOCとフィードバックループ?

フィードバックのループについて、一般的にはこんなサイクルがあると言われています:「顧客が持っている期待値を、様々な観点から探り、課題についてユーザーにヒアリングして深掘りし、そこからの気付きと学びを共有する」

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(出典: Rob Markey and Fred Reichheld, Bain & Company, Closing the loop

ユーザーの声からプロダクトが上手くユーザーの課題を解決できているかどうかを確認できますし、今の機能では解決できない課題や、ユーザーなりの既存機能の新たな活用法も知ることができるでしょう。この図に当てはめて考えれば、VOC活動においてお客様の声の入り口となるコミュニケーターであるサポートエージェントの「ユーザーの声を聴き理解する」という役割がますます重要だと思うのです。

まず「感謝の声の木」を育てることから

そこで、お客様の声に注目することから始めました。お客様の満足の声は一件のお問い合わせ対応の成功の証でもあります。サポートエージェントが自分の対応へのお客様の満足の声を葉っぱ型のふせんに書いて、予めホワイトボードに書かれた枝だけの木に葉を茂らせるように貼ることで、満足の声を「感謝の声の木」として可視化しました。 f:id:masamiyabii:20171204192711j:plain

そして、この木と葉を社内に掲示したり写真にして社内に発信したりしました。今では、社内の情報共有ツールWorkplaceの「Thanks Voiceグループ」に発展し、お客様の満足コメントを毎日掲載しています。

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この活動の目的は2つあります。ひとつは、サポートエージェントの素敵な対応を取り上げて讃えることで、お客様を思う「心」を応援すること。もう一つは、このチャネルを通じてプロダクトやサービスに対するユーザーの声を見て、VOCの取組みに賛同してくれる人を増やすこと。これが後に、より多くの人たちと一緒に、フィードバックに基づいたより良い顧客体験への改善サイクルを回すことへとつながればいいなと思っています。

次は、人と仕組みを育てる

FCSが適切に整形した、価値あるフィードバックを開発チームに届けるには、次の2つが必要です。

  • ユーザーの声を引き出せる「心」と「知識」を持ち、その声の本質に気づいて主体的に考えられるサポートエージェント
  • 適切なフィルタリング基準を含む、フィードバックから改良までの一気通貫したサイクル(つまり、クローズドループ)

お客様からの満足コメントには、「知りたいことをわかりやすく」「丁寧」「親切」「ありがとう」というサポートへの感謝だけでなく、「半年来の疑問が解けてスッキリ」「会計freeeは完成されたプロダクトだが、使いこなすには私のスキルでは1年かかりそうだ」といった、ユーザーの正直な気持ちが滲んでいるものもあります。

freeeでは、ユーザーにとって本質的に価値があることを自信を持って行うことが大切と考えられています。お客様の本業での成功を支援するサポートチームの本質的な役割はこのフィードバックのクローズドループを回していくVOC活動にあると、私は思うのです。直接的にはエージェントのサポート対応を通じて、また、間接的には感謝の声の木のような情報共有を通じて、顧客体験をより良いものへ発展させていくサイクルはすでに始まっています。

おわりに

VOC活動は地道な取組みですが、試行錯誤しながらも加速し、一緒に実現していく仲間が必要です。freeeではFCSの仲間を積極的に募集しております。ご興味がありましたら是非ご連絡ください!

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次回は、開発力というミラクルパワーの増強請負人Kakuさん。チームと共に苔も育てるハンドパワーの持ち主です。お楽しみに!