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RubyKaigi 2025 の振り返り会を開催しました [後編]

この記事は、4/16〜4/18 にて開催された RubyKaigi 2025 の振り返り会に関するまとめの後編です。

RubyKaigi2025 の入り口ののれんの写真

前編の記事は以下です:

developers.freee.co.jp

後半の登場人物

前半の登場人物に加え、2名が聴講したトークについて話していきます

sumireさんアバター Ruby歴としては半年。愛媛出身ということで、RubyKaigi 2025 の会場となっている愛媛県県民文化会館のステージは子どもの頃立ったことがある。

waTTsonさんアバター 22新卒。PSIRTから異動し現在は基盤開発でRailsを活用している。

sumire さんの学び

Day1: Keynote - Ruby Taught Me About Encoding Under the Hood

speakerdeck.com

sumireさんアバター 文字コードはおもしろい & 1発目に女性のエンジニアが出てくるところは個人的に empower されてよかったです。

このトークの後、Slack 上で 🧑‍🧑‍🧒‍🧒 という絵文字を貼ると、人の絵文字4人に分割されちゃうという遊びをしてたりしましたね。1

Performance Bugs and Low-level Ruby Observability APIs

docs.google.com

sumireさんアバター 理解しきれてないけど使ってみたい。スライドにスライドURL入れてくれてて親切で読みやすかった。

bucyouアバター Datadog が提供している、dd-trace-rb (お世話になっております!!) とかが情報取得するときに、どのようなAPIを使用しているのかが簡潔に分かってよかったです!

STORES さんの CTF

ruby-quiz-2025.storesinc.tech

product.st.inc

sumireさんアバター トークではないですが、これ、IRB のトレーニングのような作りにもなってて、Ruby初心者としてすごく勉強になった。とりあえず、help とか ls しておけみたいな。

hachiさんアバター WebAssembly (wasm) で動いているところも面白いですよね。遊びごたえ満点だし、TRICK にある IRB の色をつかったものにもつながっていてめちゃくちゃ面白かった。普通に社内の人にも勧めたいアプリですね。

sumireさんアバター Ruby力が足りないので9問しか解けてません。でも楽しかった。

bucyouアバター いや、9問は上出来なんじゃないのw

WaTTson さんの学び

Day1: Automatically generating types by running tests

speakerdeck.com

waTTsonさんアバター テストコードの実装から、型定義を自動生成していくというものですね。 ただ、テストをちゃんと書かないと、うまく作ってくれないですね。

bucyouアバター テスト駆動前提でやってたら、rbs コメントのおまけ付きなのめっちゃ美味しいっすね。

waTTsonさんアバター 例によってテスト実行時間が遅くなるのと、一部のうまく作れないケースはあるみたいですがね。

Day1: dRuby on Browser Again!

https://slide.youchan-apps.net/

github.com

bucyouアバター うぉ。このスライド、wasmで動いている。すごい。dRuby って分散オブジェクトライブラリですよね。

waTTsonさんアバター ruby.wasm から、dRubyを使って直接サーバサイドの情報を参照することでJSON API 等を用意せずに情報の表示ができる。というものになってます。

一方、この発表は後半は別のアプローチの話になっていて、WebSocket の通信を抽象化していて、CRubyでもブラウザでも同じ実装ができるというものですね。

Day3: Matz Keynote 「Programming Language for AI age」について

rubykaigi.org

RubyKaigi2025のステージ中央からゆっくりと登場するRubyの作者であるMatz
ステージ中央からゆっくりと登場したMatz

bucyouアバター 登場の仕方が面白かったですね。まさかリフターに乗って登場するとは思ってもみませんでした。その後、スポンサーセッションが始まったので、あの登場は結局何だったんだ。。みたいな。

waTTsonさんアバター スタッフがやってみたかっただけかw

昨今の AI (文脈的にはLLM) のことに絡めて Ruby と、そのコミュニティについて話していました。

  • 「逆アルファー・シンドローム2」と、AI。アルファーシンドロームとは、ペットが自分が偉いと勘違いしてしまう現象で、「逆」なのでコンピューターやAIのために自分たちが何かしてあげてしまうという状況。
  • AIのための開発なら Python 使えばいいんじゃない。
  • Ruby の世界にも型について熱心に取り組まれているが、そのうちAIがもっと賢くなったときに、抽象的かつ自由な表現ができる言語というのに価値が出てくるのでは?

waTTsonさんアバター なんか数学史みたいですね。元々は数学は長ったらしいテキストによって構成されていたけど、「記号」が発明されてから、猛烈に進化していったというやつ。

hachiさんアバター 結局、まつもとさん、毎年同じ話をしているような気がする。最近は型のありかたの話というか。

bucyouアバター でも、こう一貫して「たのしくプログラミング」ができることに着目して、同じ話をし続けるのを間近に聞けているのって、なんというかすごいことだとは思うんですよね。 型云々の内容については賛否はありつつも、この感じにアクセスできるのは大事。

まとめ: 来年に向けて

KaigiEffect はまだまだ続きそうですね。社内だけではなく、深掘りするようなイベントが開催されていたり、follow アップのようなイベントが企画されているようでした。

hey.connpass.com

気が早すぎるような気がするのですが、次回の函館での開催の予習会も企画されていますね。

smartbank.connpass.com

参加していて、学びも多かったのですが、是非ともコミュニティに何か新しい発見や、学びをRubyKaigi周辺 だけでなく、業務だったり、日常に染み出していきたいという思いが溢れてくるような、そんなイベントでした。

ということで引き続きこのブログでもRuby, Ruby on Rails 周りのコーディングで最近思っていること、今回のトークなどを聞いた上でやってみたことを発信していきたいと思っております。


  1. この絵文字をSlackに貼って投稿すると、結合文字が分割されて別々の絵文字になる。
  2. 今回のKeynoteの最初に出てきたものの、この発言自体は昔からされていて、「コンピューターの奴隷になってはいけない」というもの。それがAIにすり替わっただけなので、主張は大きく変わってないように感じられます。