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OIDF-J 第2期 人材育成WG 下半期の参加レポート 〜総集編〜

こんにちは。IAM基盤エンジニアのハトンです。

以前の記事で、OpenIDファウンデーション・ジャパンのデジタルアイデンティティ人材育成推進WG フェーズ2における上半期の活動や、8月に開催された中間報告会についてご紹介していただきました。

今回はその続編であり、1年間の活動の総集編として紹介させてもらいます。

下半期の活動について

下半期も引き続き、参加企業の方々とともにビジネスと技術の2つのサブグループのテーマごとに資料作成を進めていき、先日に1年の集大成となる最終活動報告会が開催されました。

報告会では、各チームがこの1年間で深掘りしたテーマについての成果発表を行い、大盛況のうちに幕を閉じました。

発表資料や報告会の配信アーカイブはこちらから確認できます。

www.youtube.com

1年間のWG活動に参加して得られた効果と学び

この1年間、WGの活動を通じて他社の方々と密度の濃い時間を過ごしてきました。ここでは、実際にWGに参加し、活動を通じて得られた個人的な学びや効果について振り返ってみたいと思います。

業務の枠を超えたインプットと議論から得られる知見

OIDF-JのようなIDに関わるコミュニティの集まりに参加する最大のメリットの一つは、自社の業務だけに閉じない、幅広い知識や最新の業界動向を得られることです。各社が直面しているリアルな課題や、それを解決するためのアプローチを聞くだけでも非常に勉強になります。

しかし、1年間参加を続けて強く感じるようになったのは、ただ話を聞くだけよりも、自ら議論に参加した方が得られるものが何倍にも膨れ上がるということです。

インプットした情報を、自身の言葉で言語化して語ってみる。そして、それに対する他者の意見や異なる視点の言葉を聞く。このキャッチボールを繰り返すことで、自分の中にある曖昧だった理解の解像度がグッと上がり、知識がしっかりと腹落ちしていくのを感じました。

議論しなくてはいけない環境に身を置く価値

とはいえ、IDのコミュニティには、ID領域を専任で担当されているような、いわゆる「その道のプロ」がたくさんいらっしゃいます。正直なところ、そんなプロフェッショナルの方々に対して、自分から積極的に話しかけたり、議論を吹っかけたりするのは、かなり勇気のいることです。「的外れなことを言ってしまわないか…」と躊躇してしまうこともありました。

そこで非常にありがたかったのが、教育WGの各テーマに参加することでした。

WGでの活動は、単なる聴講ではなく、参加者同士で意見を出し合いながらアウトプットとして資料を作り上げていくスタイルです。つまり、半強制的に「議論しなくてはいけない環境」に身を置くことができます。

また、他社の方々と議論をしていてハッとさせられたのが、「自社の業務で一般的だと思っている用語や概念が、標準化の世界や他社では全く通じないことがある」という事実です。文脈の違いや前提知識の違いによって生じるギャップを肌で感じることで、より客観的で標準的な視点を身につける必要性に気づかされました。

技術とビジネスを繋ぐ視座を獲得する

このような環境で1年間議論を重ねることで得られた最大の効果は、仕様や技術に対する視座が高くなったことです。

具体的には、以下のようなことが深く理解できるようになりました。

  • 「そもそも、これはなんのための仕様なのか?」という根本的な目的

  • その仕様を採用している「標準ガイドライン」に従うことで、結果としてどのような「法要件」や「ビジネス要件」を満たすことができるのか

エンジニアとして技術を選定・採用する際、どうしても「技術的に優れているか」「実装しやすいか」といった技術的な理解に偏りがちです。しかし、本来、技術を採用するには「それがビジネスにどう貢献するのか」というビジネス的な理解が不可欠です。

OIDF-Jの活動では、IDの専門家の方々から直接フィードバックをもらい、議論を交わしながら、技術とビジネスの繋がりについての理解を深めることができます。日々の業務の中だけでは、ここまで多角的な視点からフィードバックをもらい、考えを深める機会はなかなかありません。

おわりに

1年間のOIDF-J 人材育成推進WGでの活動は、単に仕様書を読むだけでは得られない知識と多角的な視点を与えてくれました。最初は勇気がいるかもしれませんが、一歩踏み出して議論の輪に加わってみることで、圧倒的な成長の機会が得られると実感しています。

今後もコミュニティでの活動を通じて知見を深め、freeeのプロダクトやIDのさらなる進化に還元していきたいと考えています。