こんにちは!フリーナンスのエンジニアをやっているthe よしだです! 今回は2026年5月26日(火)・27日(水)に立川ステージガーデンで開催された Laravel Live Japan についてお話したいと思います!
Laravel は PHP の人気フレームワークの一つで、Ruby における Ruby on Rails のような立ち位置になりますが、日本で Laravel を題材にしたカンファレンスは、2019年に開催された Laravel JP Conference が最後となり、7年間開催されていませんでした。 今回、Laravel コアチームエンジニアである Ryuta Hamasaki さんのご尽力により開催され、海外からも多数の PHPer の方が来日されました!
登壇者の多くは英語で話していましたが、日英同時通訳システムにより内容は即座に理解できるようになっていました。 Ask The Speaker においても同時翻訳システムがあるおかげで、かなり込み入った内容の質問でも日本語・英語でコミュニケーションが取れる状態です!
余談ですが、 PHPerという言葉は海外では馴染みがない場合があるため、シンプルに『Do you use PHP?』と聞くのがスムーズでした!

印象に残ったトーク
Strict AI Engineering
大人気PHPテスティングフレームワーク Pest の作者であり、Laravel コアチームエンジニアの Nuno Maduro さんは、AI時代のコーディングにおけるガードレールとして下記の4つを主張していました。
- より厳格なデフォルト設定の利用
- 型と静的解析ツールの導入
- コーディングパターンの一貫性
- 強力なテストパイプラインの構築
特にコーディングパターンの一貫性では、AIがコードを生成する前に、プロジェクト内でどのようなコーディング規約やパターンが使われているかを読み取って理解しようとする点を指摘していました。 だからこそ、品質を保つためには、一貫したコーディングスタイルを維持することが大切です。
Keynote: Laravel Updates
我らが Laravel 生みの親である、Taylor Otwell さんによる Laravel の最新情報です。
Laravel Boost
Laravel Boost は 今年リリースされた、AIコーディング支援ツールです。 プロジェクトを解析し、エージェント用指示書の自動生成を行えます。 また、Laravel 13 への自動アップグレードをAIを使って行うことができるようになります!!!
Laravel AI SDK
様々なAIプロバイダーをシームレスにLaravelに統合できる公式SDKです。 Laravel AI SDK を使うことで、OpenAIからAnthropicへの切替に伴うコード変更を最小限にできます。 それだけでなく、OpenAIが繋がらないときにAnthropicといった切替も可能です!
また、エージェントクラスを作成することで、Laravelの流儀に近い形で指示出し、結果取得を行えるところも熱いポイントです!!
Laravel Cloud
Laravel で作成した Web アプリを簡単に外部公開できる Laravel Cloud ですが、ついに待望の東京リージョンでのデプロイが可能になりました! また、ワーカーのスケーリングやキュー監視機能も追加されています!
Laravel and the Future of Native Apps
デスクトップアプリを PHP で作れる、Native PHP の創設者 Simon Hamp さんと Shane Rosenthal さんによる革新的な発表です。 Native PHP が今ではモバイルアプリまで作ることができますが、WebViewベースでした。 しかし今回、ネイティブウィジェット(AndroidのJetpack ComposeやiOSのSwift UI)を直接操作する「Super Native」を開発しました!
特徴的な点として、C言語で書かれたPHP拡張機能を通じてUIの構成を直接バイナリコードに変換しています。これをOSと共有するメモリ領域に書き込むことで、PHPとネイティブUI間のやり取りをほぼゼロレイテンシで実現しています!
また、HTMLではなく、専用のBladeコンポーネントでUIを構築していく点や、Tailwind風のクラス指定をすることで、ネイティブのカラーコードに自動変換される点も面白いポイントになります!
What's Next for PHP | The PHP Foundation
The PHP Foundation の設立者、 Roman Pronskiy さんが PHPコアの開発状況と、今後の展望について語ってくれました。
その中で、いくつか最近の機能が紹介されましたが、日本の開発者 Saki Takamachi さんが開発に貢献したBCMathのオブジェクトAPIが本人のビデオレター付きで紹介された点は見逃せません。
Polling API
ついに PHP に 非同期処理がやってきます。ストリームの刷新と Polling APIの実装を今後予定しているとのことです!
Closure optimizations
外部スコープの変数を持たないクロージャをキャッシュする最適化が入り、これによりLaravelアプリが無料で4%高速化すると発表されました! PHPをバージョンアップするだけで4%の高速化です!
Generics
待望の Generics についてRFCで議論の真っ最中とのことです!
Generics のないPHPでは下記のように、配列などに様々な型のものを含めることができてしまいます。
$users = []; $users[] = new User(); $users[] = "文字列"; // 何でも入ってしまう
しかし、Generics が導入されることで、下記のように安全なコードを書くことができます!
// <T> の部分にあとから好きな型を指定できる class Collection<T> { private array $items = []; public function add(T $item) { $this->items[] = $item; } } $userCollection = new Collection<User>(); $userCollection->add(new User()); // OK $userCollection->add("文字列"); // エラー(実行前や実行時に弾ける!)
続報が楽しみです!!
その他
- 専門チームによる正式なセキュリティ監査を実施し、複数の脆弱性を修正したことが報告されました。
- 有給コア開発者が稼働しており、コミュニティからのコントリビューションも右肩上がりで増加しています。
コミュニケーションのハブとしてのカンファレンス
Kaigi on Rails のオーガナイザーの 大倉 雅史 さんによるライトニングトークでは、AI時代においても良い開発者になる必要があるということを、お話されていました。 トークの流れとしては下記の通りです。
- 良い開発者になること
- 成長するためにはコミュニケーションが重要
- Hallway tracks(廊下での会話)の重要性
- 自身が有名かは気にする必要がない
人との繋がりを大切にする姿勢は素晴らしく、技術のインプットを得るだけでなく、カンファレンスという場に直接足を運んで予期せぬ出会いや会話を楽しむことの意義を強く再認識させてくれるセッションでした。 Kaigi on Rails のオーガナイザーが、世界中から開発者が集まる Laravel のイベントでこの普遍的なメッセージを発信してくれた事実が、何よりも嬉しく、胸が熱くなりました。
終わりに
今回は、かなりグローバルなPHPカンファレンスでした! 言語の壁はありますが、同じ言語を使い、同じフレームワークを使っているというだけで、たどたどしい英語でも盛り上がることができました!
ぜひ、皆さんも色々なカンファレンスに参加してみてはいかがでしょうか!
