こんにちは、freee CTOの横路(@yokoji)です。
この記事は freee Developers Advent Calendar 2017 の24日目です。
私事ながらこの11月にはじめてのこどもが生まれまして、この1ヶ月間は育休をとっているので、今回はまさにいま育休をとって感じていることを書こうと思います。
育休について
日本では育児介護休業法が定められていて、企業で働く両親が協力して育児休業を取得できる仕組みのガイドラインがあります。
政府主導で男性の育児参加への取り組みも進められており、育休取得率は徐々に上がってきていますが、それでも直近で3.16%と、2020年までに13%という目標にはまだまだ届きそうにないのが現状のようです。
(ちなみに、フィンランドでは男性の育休取得率が8割を超えているそうです)
なぜ育休をとろうと思ったのか
ある調査によると、育休を取らない理由の上位に「職場に育休を取りづらい雰囲気がある」というのがありますが、freeeでは育休を取得することがもはや普通になっていて、社長をはじめ、パパママともに多くのメンバーが育休をとっているという環境があります。
freeeにはすでに育休をとりやすい雰囲気があるという前提ではありますが、わたしの場合、育休をとる決め手となったのは
- 妻が働いていてすぐに復職予定のため、今後の生活基盤を早めに構築して慣れておきたかったこと
- こどもの成長は最初の1ヶ月がとんでもなく早いと聞いていたので、その時期をぜひ一緒に過ごしておきたいと思ったこと
ということでした。また、妻からは
- 育児の協力体制づくりが遅れて産後クライシスが起こることを避けたい
というコメントもありました。
1ヶ月間も会社を休んだことがない自分にとって、いない間の仕事についてや復帰後のキャッチアップコストの心配など、たしかに慣れないことではありましたが、仕事の棚卸のよいタイミングだと思い、はじめは1, 2週間くらいと思っていたところを、あえて1ヶ月間の育休をとることにしました。
育休中の仕事はどうしていたのか
育休前は、育児と並行して少し仕事もしようと思っていましたが、実際は最低限必要なミーティングだけハングアウトで参加し、その他はほとんど仕事をしませんでした。 仕事をしなくても安心して過ごせたのは、頼もしいメンバーたちに支えられていたおかげです。
また、育休中は大量インプット期間にしようと思い読みたい本リストを作っていましたが、育児をしていると意外とまとまった時間はなくて、半分も消化できませんでした。
個人的には、最初から育児も仕事も全力で両立!というよりは、期間を決めていちど育児にとにかくフォーカスしてみたほうが中長期的には効率がいいかもと思い始めています。
現代においてもお産にはリスクがつきものということを実感したのもありますし、産後の妻は心身ともに想像以上に衰弱しているので、育休中は割り切って母子のサポートを第一に考えるのがよいという感覚です。
育休をとってみてどうだったか
慣れないことだらけで、アクシデントだらけの1ヶ月でした。妻が産後2週間で突然大量出血して生死をさまよい(今でも1万人に1人くらいは出産で死のリスクに直面するようです)1週間入院したり、どんな状況でもこどもは2, 3時間おきにミルクをねだるし、おむつを替えた瞬間におしっこうんちするし、なんで泣いてるのか分からないしで、夫婦でてんやわんやして様々なトラブルを踏み抜きましたが、おかげさまで育児への理解と仕事との両立の自信がつきました。1ヶ月を終えてみて、個人的に育休のなかでやってよかったことを振り返ってみます。
いちど一人で全部やってみること
はじめは意図していませんでしたが、出産から2週間後に妻が救急車で運ばれ1週間入院したため、現場責任者として育児その他全てを取り仕切る機会がありました。 ひととおり一人で育児をやりきることで、育児にオーナーシップと自信がつき、妻からの信頼も得られたように感じています。
CEOの佐々木が実践していた、夫婦で時期をずらして育休をとるというのもよさそうです。
育休中は、仕事を忘れて育児にフォーカスすること
育児も仕事も全力で!みたいなスーパーマンをはじめから目指すのは、万人にはハードルが高いと実感しています。
ライフイベントに集中する時期があって、仕事に集中する時期があって、というのも全然ありだと思っていて、わたしの場合は期間を決めて 集中してひととおりの育児経験をすることで、自信がついて仕事とうまく両立していくイメージがわきました。
育児生活の中でやらないことを決めること
育児には生活の非効率が正当化されてしまう魔力があると感じました。圧倒的にかわいいので、「子供のためなら」とつい全力で育児や家事などの世話をしたくなってしまいますが、今後の仕事との両立を考えると全てに手間暇をかけるには時間がなさすぎます。育休中に、「本当に手をかけたいところはどこか」を夫婦で決めて、それ以外は文明の利器や制度をつかってうまく仕組み化していくとよさそうです。
具体例としては、
- 食事は無理して全部つくらない。Uber Eats、区の家事補助や調理代行、ベビーシッターなどを使うことを躊躇わない
- 洗濯は全自動洗濯乾燥機に任せて、衣類の痛みは気にしない
- 掃除はルンバに任せて、細かいところは大掃除にまとめてやる。水回りは定期的にアウトソースする
- 母乳だけにこだわらず、ミルクも使って授乳の負担をフレキシブルに分担できるようにする
といったことです。freeeではキッズラインと提携していて、会社がベビーシッターにかかるお金の半額を補助しているので、活用しない手はありません。
また、スマートスピーカーの真価は「ながら」作業であることを育児中に実感しました。こどもを抱っこしたままタイマー・アラームを設定できたり、テレビのON/OFFや音楽の再生が出来たり、最高でした。
復帰後の働きかた
仕事の内容を大きく変えることはしませんが、こどもをお風呂に入れたいので、基本的には早めに出社して18時すぎには時間厳守で帰る予定です。
freeeでは、家族の状況にあわせて出退勤の時間を調整することはすでにみんな普通にやっていることなので、特に違和感はありません。
まとめ
今回1ヶ月間の育休を取得したことで、自分の仕事の棚卸のよいきっかけにもなり、夫婦の信頼関係も含めた今後の生活基盤を早めに構築できたことがよかったです。自分に合った生活リズムを早めに見つけるために、みなさんもぜひ育休とってみてください。
育休をとるならおすすめしたいのは、
- 育休中の仕事は他メンバーに任せて、母子サポートを最優先すること
- 育休中に、ひとりで一通りの育児を全部経験する機会をもつこと
- 手をかけたいところを明確にして、それ以外はテクノロジーや制度を活用して仕組み化していくこと
ということでした。
その他、freeeでは社内SNS上で育児ノウハウを交換できる部屋や、家族連れの定期的なリアル懇親イベントがあり、先輩パパ・ママにいつでも相談するのもとても心強いです。
そして、自分の子はとてもかわいいです。自分の子なら泣いていてもかわいいですし、見ていて退屈しません。育休中はぜひこどもとの時間を楽しんでください!
さて、明日はいよいよ最終日です。先輩パパ兼開発本部長の@yo_wakaが、アドベントカレンダードリブンでコードを書くぞ!と宣言していたので、とても楽しみです。