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freeeアクセシビリティー・ガイドラインVer. 202107.0を公開しました

こんにちは、freeeのアクセシビリティー・ガイドラインおじさんの中根です。

先週末に外出したら夏が思いの外本気を出し始めていてすでに夏バテ気味の今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、今回もfreeeアクセシビリティー・ガイドラインの更新情報をお届けします。

と言いつつ、今回もあまり大きな変更はありません。

だから、というわけではありませんが、最後に近日開催予定のイベントのお知らせもありますので、最後までお付き合いください。

ガイドラインの文言を一部変更

以下の2つのガイドラインについて、文言を変更しました。

入力ディバイス:[MUST]キーボード・トラップの回避

変更前:
動画プレイヤーなど、特定のコンポーネントにフォーカスした状態から、Tabキー、矢印キー、Escキーで抜け出すことができるようにする。
変更後:
ページ中のあらゆるコンポーネントについて、Tabキー、矢印キー、Escキーなど簡単な操作でフォーカスを外すことができるようにする。

このガイドラインは、ページ中にあるコンポーネントに一度フォーカスすると、キーボードだけではそこからフォーカスを外せないというような状況を生まないように、という意図のものです。 このガイドラインの基になるWCAGの達成基準が考えられた頃には、Flashのコンテンツ、Javaアプレットなどがこういった問題を引き起こすことが多く、中でも動画や音声のプレイヤーが埋め込まれている場合によく見られる問題だったことから、このような記述にしていました。

しかし、最近は動画プレイヤーなどでそのような現象に遭遇することが随分と減った印象があります。 その代わりというわけでもないのでしょうが、何らかの機能を実現するためにJavaScriptで実装されているコンポーネントなどが、こういった問題を引き起こしているケースに出会うことが多くなってきているように思います。

そこで、必ずしも動画や音声プレイヤーに限った話ではないということを明確にする必要もあると考えて、このような変更をすることにしました。

動画プレイヤーなどを埋め込む場合にも引き続きこの点に注意する必要はありますので、「音声・映像コンテンツ」カテゴリーにある同じ内容のガイドラインには変更はありません。

なお、この変更に伴って、チェックID:0201の文言も修正しています。

ページ全体:[MUST] 画面方向を固定しない

変更前:
特定の画面方向(縦置き/横置き)での利用を強制しない。
変更後:
コンテンツの性質上必要不可欠な場合を除いて、特定の画面方向(縦置き/横置き)での利用を強制しない。

対応するWCAGの達成基準では例外を認めた上でAAになっているのに対して、freeeのガイドラインでは例外を認めず[MUST]になっていました。 WCAGに合わせて例外を認めることにしたのが、今回の変更です。

この検討の中で優先度についても検討しました。 その結果、どういった場合に許容される例外となるのかということについては、その都度丁寧な検討が必要だと思いますが、例外を認めた上であれば[MUST]のままで問題ないだろうという判断に至りました。

その他

変更内容が軽微だったためこのブログではお知らせしませんでしたが、Ver. 202106.0もリリースしています。

参考情報に掲載しているNVDAチートシートが配布元で更新されたことへの対応などをしています。

他にもいくつか細かな変更をしていますが、詳しくはリリース・ノートをご覧ください。

引き続きご意見などお待ちしています

今回の変更についても、それ以外の部分についても、ご意見やお気付きの点など、GitHubリポジトリーのIssuesやPull Requestsでお知らせください。

イベント開催のお知らせ

元々freeeアクセシビリティー・ガイドラインやチェックリストは社内で使うために作り始めたものですが、最近では社外でも活用してくださっているというケースが出てきました。 そこで、実際に活用してくださっている方にお話しを伺おうというイベントを企画しています。

  • 日時:2021年7月29日(木)19:00~21:00
  • 会場:オンライン
  • 参加費:無料

以下のページからお申し込みください:

https://connpass.com/event/218780

connpass.com