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freeeアクセシビリティー・ガイドライン Ver. 202102.0を公開しました

こんにちは、freeeのアクセシビリティーおじさん中根です。久しぶりにPixelシリーズ以外のAndroid端末を入手したのですが、初期状態のホーム画面のアクセシビリティーが悪すぎて泣きそうになりました。Androidはそのあたりも含めてバリエーションが多いのが大変なところでもあり、面白いところでもあるなあと改めて感じました。

さて、今回もfreeeアクセシビリティー・ガイドラインの更新情報をお届けします。

ホバーで表示されるコンテンツに関するガイドラインの見直し

今回の更新では、ホバーによって表示されるガイドラインと関連するチェック内容の見直しを行いました。

[SHOULD]ホバーで表示されるコンテンツ

[SHOULD]ホバーで表示されるコンテンツについて、以下のすべてを満たす。

  • ポインターを移動させることなく、ホバーで表示されたコンテンツを非表示にできる。(Escキーで消える、など)
  • ポインターを、ホバーで表示されたコンテンツ上に移動しても、コンテンツが消えない。
  • ホバー状態ではなくなった場合、ユーザーが非表示にする操作を行った場合、内容が無効になった場合にのみ、ホバーで表示されたコンテンツを非表示にする。

上記は変更前のガイドラインです。

ホバーで表示されるコンテンツがある場合に、拡大表示を利用しているユーザーのアクセスを阻害しないようにするというのが、このガイドラインの主な意図です。 詳しくは以下に挙げる参考情報を確認してください:

上記の変更前のガイドラインには、3つの条件が示されています。 このうち2番目に挙げられている条件

  • ポインターを、ホバーで表示されたコンテンツ上に移動しても、コンテンツが消えない。

については、乱暴な言い方ですが、読もうとしているコンテンツが読もうとしているその瞬間に非表示になってしまわないことを保証するためのものです。 ですから、これが満たせていない場合は、必要な情報にアクセスできない状況が発生することが考えられます。 他の2つの条件も、満たしていなければ拡大表示を利用している場合にアクセスを阻害することには変わりありませんが、この条件と比べると影響は小さそうです。

これまで、この3つの条件をまとめて優先度を[SHOULD]としてきました。 また、このガイドラインの基になっているWCAG 2.1の達成基準1.4.13も、適合レベルがAAとなっています。

しかし、上述のような理由から、すべてを[SHOULD]として扱うのは適当ではないという判断に至りました。

そこで今回の更新では、このガイドラインを以下のように優先度が異なる2つのガイドラインに分割しました。

  • [MUST] ホバーで表示されるコンテンツの拡大

    [MUST]ホバーで表示されるコンテンツについて、ポインターをホバーで表示されたコンテンツ上に移動しても、コンテンツが消えないようにすることで、そのコンテンツを拡大表示して利用することを可能にする。

  • [SHOULD] ホバーで表示されるコンテンツの非表示

    [SHOULD]ホバーで表示されるコンテンツについて、以下のすべてを満たす。

    • ポインターを移動させることなく、ホバーで表示されたコンテンツを非表示にできる。(Escキーで消える、など)
    • ホバー状態ではなくなった場合、ユーザーが非表示にする操作を行った場合、内容が無効になった場合にのみ、ホバーで表示されたコンテンツを非表示にする。

これに伴い、チェック内容についても見直し、チェックID: 0091チェックID: 0111から[MUST]の条件を分離し、新たにチェックID: 0092チェックID: 0112を追加しました。

その他の変更

他にも、意図の変更を伴わない細かい文言の変更や誤字脱字の修正をしています。

また、このブログでは更新情報を掲載しませんでしたが、1月20日に公開したVer. 202101.1では、ユーザーCSSを適用したチェックの実施方法中のCSSおよびブックマークレットの修正をしています。

引き続きご意見などお待ちしています

今回の変更についても、それ以外の部分についても、ご意見やお気付きの点など、GitHubリポジトリーのIssuesやPull Requestsでお知らせください。